始めに言いますが、実は漫画じゃありません。
これ、たぶんドラマの中でだけ言われた台詞だと思います。
なぜって、
「ロウ人形館殺人事件」では、
漫画版では明智さんが過去に傷を追っている役だったからです。
でもね、
ドラマでこの台詞を剣持さんが言った瞬間、痺れました。
さすが剣持!
名探偵ものにありがちのミス・リード(間違った答えを出す)として人生積んでいるだけある!
金田一なんて若造になんか、まだまだ負けられないって闘志満々だね♪
間違いなく、主役を喰っているよ!
さてさて、
『金田一少年の事件簿』は知らない方はいないと思います。
毎回「お前そんなトリック使うくらいなら普通に殺せよ!」って言うような、
人間には出来ないトリックを持って人を殺すような方ばかりがたくさん出てくるミステリーです。
毎日のように事件に遭遇する二人は、
頭脳は大人身体は子供なひねくれたガキがもしいなければ、
日本一殺人事件に遭い易い高校生としてギネスブックに載ってしまったことでしょう。
さらに、この漫画には主人公とヒロインの微妙な関係が間に挟まっており、
毎回読者に期待させるようなシーンを作っては振り出しに戻させるを繰り返していました。
さて、そんな彼らの何番目かの事件が『ロウ人形館殺人事件』
殺人のために、館買い取っちまう素晴らしい犯人が出てくるお話です。
三億円事件をもじったような事件が過去にあってどーとかこうとかという奴で、
まぁ、事件自体は面白いわけではありません。
ラストのほうで犯罪を自慢する犯人が言います。
「俺たちは、誰も傷つかない犯罪を行ったんだ!」
それに大して剣持警部が怒りの鉄拳を食らわすわけです!
剣持警部かっこいい!
この瞬間に、私は本屋に走っっていました。
そして私が味わった、
「うわぁぁ、漫画版では明智さんがでしゃばっている!」
という、絶望感は説明できそうもありません。
この正統派一本槍の台詞は、酔ったときこそ有効です。
酔った勢いで目上の人間に嫌なことをやられて、
しかも相手がまったく気にしてないときに言ってやりましょう。
「傷つかない犯罪なんて無いんだよ」
瞬間、その場は完全に凍りつきます!
相手がひるんだすきに、徳利片手にさらに責めるのです。
「……っていう、言葉ありましたよねぇ〜」
そうして、相手のグラスにお酒を注げば、
さりげなくストレス発散。相手も上機嫌。
……卑屈な解決法なんて言葉は聞こえない。聞こえない。
探偵ものっていつも若い人間が倫理観をかざしますが、
誰もが思いますよね。
「お前に言われたくねー」
重い台詞を言うには、やはりある程度の年季が必要だと思う楽静でした。