「トリック 劇場版」

メディア 映画
上映時間 119分
製作国 日本
公開情報 東宝
初公開年月 2002/11/09
ジャンル ミステリー/コメディ
監督: 堤幸彦 Yukihiko Tsutsumi
製作: 木村純一
風野健治
プロデューサー: 桑田潔
島袋憲一郎
蒔田光治
山内章弘
脚本: 蒔田光治
撮影: 斑目重友
美術: 稲垣尚夫
編集: 伊藤伸行
音楽: 辻陽
録音: 中村徳幸
VE: 中村寿昌
ラインプロデューサー: 渡邊範雄
照明: 池田ゆき子
製作担当: 朝比奈真一
製作統括: 高井英幸
早河洋
助監督: 木村ひさし
楽静的点数
90/100
出演:
仲間由紀恵 山田奈緒子
阿部寛 上田次郎
生瀬勝久 Katsuhisa Namase 矢部謙三
野際陽子 山田里見
伊武雅刀 長曾我部為吉
根岸季衣 菊姫
芳本美代子 南川悦子
山下真司 神崎明夫
大島蓉子 池田ハル
前原一輝 Kazuki Maehara 石原達也
アベディン・モハメッド ジャーミー
三宅弘城 臼井猛
相島一之 本郷三四郎
みのすけ 駒場一路
川崎麻世 安田安夫
竹中直人 村に降臨した神たち
ベンガル 村に降臨した神たち
石橋蓮司 村に降臨した神たち


ジャーミー! お前の人生それで良いのか!?
夜空に向かって叫びつつ、
ノン・ストップでやってくる笑いの渦に巻き込まれ、翻弄されていた。

ちなみに、多少ネタバレもあるので、
純粋に映画が見たい人は見ない方がよいかもしれない。


さて、テレビで「トリック」、「トリック2」と放映された人気ドラマの映画版。
天才的な奇術師の娘(この設定をいつも忘れそうになるが)山田奈緒子が、
自分の奇術はしょぼいくせに、
殺人事件を犯した犯人達のトリックを次々と暴いていく。

なんて、ミステリー部分が物語の中心では談じてない

このトリックの面白さは、その作品の中で語られる連続するボケにある。
そう、それはまさにボケ。
レストランではナポリタンが異様に大人気だったり。
今時徳川の埋蔵金を狙っている男がいたり(いや、それボケなのか)
青年団の副団長の女性がなにげにコスプレイヤーだったり(汗)
画面を見ている人間に対して、これでもかと突っ込みどころを用意する。
見ている方は、心の中で「またかよ!」とか突っ込みながらも、
そのボケにつられて笑い抱いてしまうのだ。

作品の中で主人公の山田自身も何度か突っ込みを入れているが、
正直彼女の突っ込みは弱いしテンポが悪い。
その弱さすら笑いどころと考えると、
何とも壮大なコメディ計画ではないだろうか?

また、至る所で見せる映像技術も面白いところだ。
よくあるミステリーの謎解きシーンをパクったり、
モザイク処理を上手く使ったりと、多彩な技を見せてくれる。



さて、この映画で漢を探すとしたら一体誰になるだろうか?
冒頭でも述べたとおり、
ジャーミーは漢だ
彼は自分の大半を生活のために棄てている
だからこそ、その気楽な台詞一つ一つに見ているものは涙を禁じ得ないヨ?
ただ、残念ながら人生に立ち向かう漢とは言い難い。

とすると、はただ一人。
矢部さんだ!
このものこそカミの一人
てか、本気でニセモノノカミの業を背負う漢
他の人間が金儲けのために偽物の神様を演じるのとは全く対照的に、
背負いたくもないニセモノノカミの宿命を負う漢。

「ニセモノで何が悪いんじゃ!
ニセモノニはニセモノの苦しみがあるんじゃ」


彼の一言一言は、

深く我々のを掴んで離さなかった。

てか、やっぱりニセモノだったのかよ!
なんて突っ込みを去り下に入れたことは秘密だ。

さらに、この矢部という漢、
すさまじい特殊能力を持っている。
今までの映画のキャラクターが決して持つことの無かった特殊能力。
Mr.YABE
スタッフロールへ突っ込みを入れる
最後の最後でこんな特殊能力を持ってくるとは思わなかった。
さすが矢部。
来た途端、騒動に巻き込まれ、
全くの活躍もなく己の業をさらしただけはある。

これ以上の漢はないね!

確かに他にも素晴らしい男達はいる。
例えば上田
下半身露出が好きな猛者!
彼の繰り出す「どうですか〜?」
には、男ですら唖然として吸い寄せられる

例えば神001
てか、竹中! おまえそれ演技じゃなくてだろう!
あからさまに濃すぎだ〜(笑)

例えば村長
ニセモノのカミの業を持つ矢部をひれ伏させた男!
なにげに絵が上手かったり、
話し方がやけにぎこちなかったりがかわいいところ。


掘り出そうとすればいくらでも出てくるが、
やっぱり矢部の魅力には勝てないのだ

話せば話すほど魅力に磨きを掛けるトリック。
正直、日本映画を見直した。日本映画はまだまだいける。コメディーなら

が、しかし。
ここで一つだけトリックに突っ込みを入れたい
一つだけどうしても解けない謎があるのだ。
後から考えると、どうしても可笑しい部分。
違和感を拭っても拭いくれないその箇所。

琴美ちゃん(夜しか出れない女の子)って、
逃げ去りながら一度かき消えなかったか?


あれもボケだったらすごいんだけどなぁ。
なげに私はすごい喜んで
「落ちた! あそこにはきっと井戸があるんだよ!
サダーコ誕生〜」
とか考えて笑っていました。

が、

考えるまでもなく、そんな馬鹿は映画館で一人でしょう。



トリック劇場版は我々に笑いと、母の強さを教えてくれる言い映画です。
ええ。母の強さについては、私はあえて何も語りません。

とりあえず、見ろと。

まず、見とけと。

でもね。

「クワッパ」の意味を知ろうとしてはいけません(苦笑)


映画館にてただいま絶賛放映中〜