「模倣犯」

メディア 映画
製作国 日本
公開情報 東宝
初公開年月 2002/06/08
ジャンル サスペンス/犯罪/ドラマ
監督: 森田芳光
製作: 島谷能成
亀井修
大塚康高
棚次隆
プロデューサー: 本間英行
企画: 鶴田尚正
中島健一郎
北條茂雄
青山悌三
原作: 宮部みゆき
アソシエイトプロデューサー: 市川南
春名慶
堀口慎
企画協力: 三沢和子
楽静的点数
75/100
 
出演:
中居正広   網川浩一(ピース)
藤井隆    高井和明
津田寛治   栗橋浩美
木村佳乃   前畑滋子
山崎努    有馬義男
伊東美咲   古川鞠子
田口淳之介 塚田真一
藤田陽子   高井由美子
寺脇康文   前畑昭二
平泉成    武上悦郎
モロ師岡   篠崎刑事
吉田朝    坂木刑事
桂憲一    鳥居刑事
佐藤二郎   白井刑事
中村久美   古川真智子
小木茂光   古川茂
由紀さおり  栗橋寿美子

爆笑問題
佐藤江梨子
PUFFY
坂下千里子
山田花子



なんてもの作りやがるんだ東宝!

そんな言葉が思わず口から飛び出しそうになりました。
いや、だって初めてですよ私。
シリアスっぽいラストで大笑いしそうになったのは
つい、隣に座っていた彼女にひじ打ち喰らっちゃったじゃないですか。

それぐらいに、この映画は愉快です




・・・・・・・・って、何か違うな・・・・



話をはじめに戻します。
原作宮部みゆきの『模倣犯』(上下)を読まずに私は映画を見たので、
もしかしたらストーリーは原作を見ないと分からないのではないかと感じました。
しかし、それをまず置いといて映画のストーリーを(私が感じた範囲で)


まぁいわゆる刑事ものってやつで、
犯罪がおき、それを捜査したりしています。
んで普通の刑事ものと違うのは、
民間人がしゃしゃり出ずに物語りの中に組み込まれていること。
たぶん、主人公は豆腐屋の山崎務だと思いますが、豆腐屋探偵だったりはしません。

もちろん、普通の二時間ドラマのように、
温泉シーンや、旅行会社の謀略旅先の素晴らしい景色もない。
普段そう言ったドラマを見飽きている人には退屈かもしれません。
んで、
捜査が進む&被害者が出るのと切り替わるように犯人側の視点が描かれます。
まぁ、インターネットのチャット(もしく掲示板)を意識しているのか、
ところどころに字幕が現れ、目を疲れさせることもありますが、
それも特殊効果(?)でしょう
ラストは、犯人の死と、それぞれの主人公の解決法。
何気に真一君の言葉が胸を指したり指さなかったりして、お茶を濁すように終わります。


ええ、はっきり言ってしまいましょう。
ストーリーの面では惹かれるものは特にありません。
この映画も良くある小説のように原作の方が面白いという映画なのでしょう。
ただ、活字慣れをしていない人にとっては、映画という形の方が面白いのかもと感じました。




さて、ここまでダラダラとストーリーを斬ってきましたが、ここからが本番(うぉい)
ズバリ、この映画の面白いところです!



まずは山田花子。
って、いきなり名前当てられているキャストですらないのが哀しいところですが(苦笑)
彼女は、映画の始めの方で納豆のコマーシャルに出ています。
「関西人も納豆食うで」
と言いながら、嫌そうに納豆を食べている姿はむしろ微笑ましく、
頭の中で『明日がある』が流れること請負です(苦笑)

彼女は途中CMに声のみで登場しているなど、なかなかでしゃばった心意気を見せてくれます。
そこらへんにも主役になれない役者の執念を感じて涙ぐまずに入られないでしょう。


次に爆笑問題。
こいつらなんで出てるんだろう?
とにかく出ています。なんか死んでいるっぽいですが生きているでしょう。きっと。
こいつらの掛け合いは、一瞬映画のシリアスさを忘れさせます。
その意味では、彼らを使ったことは失敗だと思いますがね。


そして、何気に出ているぞPUFFY
・・・・・・どこに出ているのか気づきませんでした。


と、このように主役以外に面白い要素が一杯一杯。
他にも、主要キャラでないところに面白さを見つけるのならば、

どの刑事がなんて名前か最後までわかりずらいぞ!

アナウンサーの声が素人っぽくて可笑しいぞ!

主要キャラの子供時代の子役はへたくそばかりで微笑ましいぞ!


など、多数の(?)素晴らしさをそろえています。





まぁ、とは言うものの、この映画にはやはり主要キャラを求めて見に行く人もいるでしょう。


といったらでしょう?


そう、彼ですよ、彼

そう、伝説の

山崎努を見に!

え? まさか彼に注目しないとは言わせませんよ?
念仏の鉄(必殺仕置き人)さんを馬鹿しちゃあ、始末されちまいやすぜ?
とにかく、この映画の中で一番カッチョいいのはこのおじ様です。
なにせ、ですからね。
殺人犯の子供を育てようとするラストには驚愕と尊敬すら感じてしまいます。





・・・・などと、語り続けると、「奴はどうした」という声が聞こえそうですな。



の事を語らずして、この映画は語れますまい。


そう。


藤井隆!

友達のためには命がけで(てか本当に死ぬし)悪に立ち向かう漢!



(^^ゞ
・・・・ではなくて、



津田寛治!
きしょい役をやらせたらぴか一!
さすが『エコエコアザラク』なんて角川のイッちゃった映画にも出ていただけはある。
友人を思う友情の厚さや、
数ヶ国語を操る場面などは、見ていて思わずうなってしまいます。




って、ことでもなくて(苦笑)
いい加減彼の事を語りましょう。



やっぱり、中居正広でしょう。
彼、かっこよすぎ
いやぁ悪役はまりすぎだよ。ちょっと。
さすが何年かごとに『世にも奇妙な物語』に出る漢
怪しさにかけてはほとんど敵なし。
その上殺人犯の残酷さと、誰にも理解されない寂しさを同居させるなんて、
ちょっと見ごたえありすぎて語れませんな。



でも(but...)


中居君には一つだけ言いたい。


爆死は止めろよ。
ラストの爆死CGはアホすぎ〜
それまで積み重ねていたシリアスさが台無し!
だって、首飛ぶし!

瞬間、爆笑を抑えながら私の中ではある事実が決定してしまったくらいさ。
ズバリ、
中居君(ピース)アンドロイド説!
彼自身、「デジタルになればアナログには見つけられない
って豪語してたしね(笑)
宮部みゆきはSFも書くしありそうな結論ですな。

んで、ピースは天国に行ったと見せかけて南国ビーチでパラダイスさ。
ああ、絶対そうだね

だからラストを見たとき「あれ? これで終わりなの?」って思わず思ったさ。
スタッフロールが流れても、もしかしたらと思って最後まで席に座っていたさ。
FF8の真のラストはスタッフロール後にあったしな!


・・・・・でも、無かったよ。


ああ、だろうとは思っていたけどね。


そんなわけで結論として
『模倣犯』は、キャラで見ろ!
ということがいえます。
てか、ストーリーで楽しみたければ原作を読めと。


最後に忠告ですが、目が悪い人は日本映画だからといって後ろの方に座らないように。
字幕入るから(涙)

今回は真面目なレビューだったようです♪