「千と千尋の神隠し」
上映時間 125分 製作国 日本 製作年 2001 配給会社 東宝 |
監督 宮崎駿 製作総指揮 徳間康快 |
楽静的点数 79/100 |
出演(声) 柊留美 内藤剛志 沢口靖子 夏木マリ 入野自由 菅原文太 小野武彦 |
登場人物の種類が過去最高位(なんせ神々の話しだし)であるのに、
中身の話は宮崎映画始まって以来の小規模である作品。
主人公に特殊能力が無い時点で、「魔女の宅急便」よりも話のスケールはちっちゃいです。
てか、やはりアニメとCGは噛みあわないのでは。特に宮崎アニメでは。
あの独特な淡い世界観を期待した人間にとっては、CGのきつい色は厳しいものがあったりなかったり。
さてこの映画、まず根本的なことで私的に気になる事があります。
湯婆婆(ゆばーば)と銭婆(ぜにーば)は絵の使いまわしなだけではないのか!?
この二人双子という設定なのですが、双子どころか、同一人物にしか見えません。
映画の中で銭婆は、湯婆婆の子供に「母親の区別もつかないのかい」と嘆きますが、
彼女たちの区別がついた人間は、こしひかりとささにしきの分別が上手いに違いありません。
などと、まず突っ込みを入れたのですが、
正直この映画突っ込む所がありすぎて、逆にやる気を失います(苦笑)
とりあえず、カエル男、ナメクジ女がこの映画には出てくるのですが、
両者共に、男か女か決められるわけが無い生物体だという事は判りきっている事でしょう。
映画の始めと最後にしか現れない千尋の父と母は、マッチョぽいのに教育ママゴンっぽいの。
千尋の将来、暗黒すぎです。
愛(?)によって復活した、ハクさん。
千尋に愛を感じたというのなら、やばいです。年齢考えて欲しいものです。
そして、千尋。
本当にただの人。あまりにも珍しいので、後半になるまでずっと
実は隠された力を持っていたというのを期待してみていました。
でもそんな事は決してなく、ただ、
適応能力のよさがハンパじゃないところだけが現れていました。
絶対、人間が入れ変わっています。
などなど、ツッコミどころ満載のこの映画。
けれども本当は私はあの方が入れば良かったのです。初めから、たった一人、
釜爺がいれば。
釜爺。
手が異様に伸びまくる、現実無視の男(たぶん元蜘蛛)
彼は言う。「愛じゃ」
私は始めてみました。
映画のテーマを映画の中で強引に言うシーンを。
それまで私は、「千と千尋の神隠し」は成長がテーマだと思っていたのです。
まさか、愛とは……
あらゆるツッコミが入りそうでありながら、いまだ人気のこの映画。
なんだかんだいって、私も結構気に入っています。釜爺が。
ぜひぜひ映画館まで足を運んではいかがでしょうか。
釜爺を見に(しつこい)