「少林サッカー」
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監督: チャウ・シンチー Chiau Sing Chi リー・リクチー Lee Lik-Chi アクション監督: チン・シウトン Ching Siutung 製作: チャウ・シンチー Chiau Sing Chi イェング・クウォクファイ 脚本: チャウ・シンチー Chiau Sing Chi ツァング・カンチョング Tsang Kan-Cheung 音楽: レイモンド・ウォン Raymond Wong |
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楽静的点数 95/100 |
出演: チャウ・シンチー Chiau Sing Chi シン ン・マンタ Ng Man-Tat ファン ヴィッキー・チャオ ムイ パトリック・ツェー Patrick Tse ハン カレン・モク Karen Mok セシリア・チャン Cecilia Cheung ヴィンセント・コック ウォン・ヤッフェイ チン・グォクン |
さすが中国映画!!
これほどまでに、突っ込み所が多い映画は久しぶりだ!
抱腹絶倒。完全に見たものの負け。
「いい仕事しましたなぁ」と必ず思ってしまうこと間違いなし。
などと、ついつい映画の宣伝をしてしまうほど、「少林サッカー」は完璧でした。
注意:今回はマジでネタバレが多いです。
まっさらな状態で映画館に行きたい人は見るのを止めておきましょう。
さて、そんなわけで「少林サッカー」です。
お話は簡単明快。
少林寺の凄さを広めたい男(シン)と、
何とかサッカーで有終の美を飾りたい男(ファン)が手を組んだ。
そうだ。少林寺拳法を利用してサッカーで優勝しちゃえ!
まぁ、こいつら二人はど〜でもいい。
てかお前ら主役なみのくせに影薄いぞ!
・・・いや、恐らく主役級のために、逆に
インパクトのある場面が抑えられたのかもしれない。
とにかくこの二人にはあまりいい見せ場はない。
シンで面白いところは、
「悲劇! 兄弟子を後ろから蹴飛ばす男」
「残酷! 兄弟子を弟弟子に売る男」
「圧巻! タイガーショットを操る男」
くらい。しかも、タイガーショットは若林君ライバルに止められちゃうしね。
本当、いいところないわ。
ああ、でも。
彼の歌は聴いた人の心を強力に揺さぶります!
私は腹抱えて笑うだけでしたが(汗)
ファンのいいところはさらになく、
監督のくせに胴上げすらされないという徹底ぶり。
しかもラストには登場しないし。
シン達少林寺拳法の使い手に見捨てられた後の彼が、
どんな寂しい人生を送るのかは想像したくもない。
さて、ここまでがほぼ前哨戦。「少林サッカー」の面白さはこれからだ!
これから各キャラクター(シン、ファン以外)の紹介をする。
というわけで、兄弟子&弟弟子
後にいけばいくほど、好きなキャラだったりする。
まずは三番目。足技野郎。
それだけ。てか、特徴なかったなぁこいつも。
とりあえず彼の、「何でお前らはふさふさで、俺はこんな髪がないんだ!」
という人生の悲哀をモロに感じさせる台詞に感動した。
命名、はげしいな君
次にはデブ(6番弟子)片足で空を飛ぶ男。
命名。スカイライダー“デブ”
てか、飛ぶことと食うことしか出来ないので、ライダーの称号すらおこがましい。
生卵一個のためなら、兄弟子の唇を奪う覚悟まであるところには恐れ入った。
すさまじいまでの漢だ。
そしてヤンキー(長兄)。フライパンな頭をもつ男。
鋼鉄の頭の割にはその頭の上でボールを操る細かさをもっている。
つーか、フィールド上で「あ、禁煙だったのね?」は受けた。
長兄を見る場合は、
ぜひともやる気のない少林寺最高ソング(勝手に命名)に注目したい。
別名変態仮面。(理由は映画を見てみましょう)
なんせ、目覚めちゃうんだもんなぁからパンツで!
四番弟子(シン)にとことん弱く、彼が来るたびに逃げ回る姿は、
もう情けなさを通り越して悲哀を感じる。
んでもって二番目弟子。魔の手をもつプータロー。
あまり目立つ場面はなかったが、
10人の放つシュートを軽くいなしたり、
敵の挑発をまねっこしてぼろぼろになるなど、
かなり漢気を見せてくれた。
「少し休む」とだけ言って、結局フィールドに戻ってこなかったのが惜しまれる。
ブルースリーマニア(っぽい)と見た。
最後は、我らが四番目弟子!
鉄の皮膚を持つ漢〜
この人最高。
腹にボールをくっつけて前進前進前進→ゴール!なんて荒業はもちろん、
キーパー(二番目弟子)の代わりを務める際に、奥さんにした告白(映画館で確かめてみて♪)や
唯一兄弟たちの中で成功していたのにもかかわらずサッカーに手を出したその潔さには、
日本人も憧れる儀愛の精神を垣間見ることが出来る。
まぁ、何よりも、
顔面でスパナを曲げたのは凄かった。
命名最強の漢!!
さぁ、そしてこれら主役陣?を囲むのが、
個性たっぷりな脇役の皆さんだ。
とりあえずお約束のように出てくるヒロイン(ムイ)には後でふれるとして、
適役のボスハンについてまず語っておこう。
てか、彼は四番弟子がいなければまさしく漢の中の漢だった!
ハンは、自分が悪行でのし上がったということを完全に自覚していた(のだろう)
そのためにハンが率いるチーム名はデビル!まさしく、倒してくださいと言っているようなものだ。
そしていくら金をもうけたとしても、ゴルフくらいにしか使うことはなく、
さらにサッカーを愛する気持ちが強いために研究費用に金をつぎ込んでいた。
なんと、代えの靴下を買う余裕すらなかったのだ!
そこまでして心血を注いだサッカーチーム、デビル。
当然、ハンを破るものはいなかった。
そこで彼は考えた。最も自分を恨んでいる人間をたきつけようと。
それが、ファン。かつて欲深なためにハンの罠に陥って足を欠陥にした男。
ハンは、ファンをそそのかし、わざと怒らせる。そして、自分に対抗するチームを作り上げさせたのだ。
以上。妄想大爆発なハンの素顔でした(苦笑)
しかし彼はいい人です。何気に、「なぁ、残酷すぎやしないか?」なんて、
気の小さいところもうかがえますし。
そして、この物語のヒロイン(ムイ)
シンのことを好きになりながら見事に玉砕!
それでも、好きな男を救うため、ピンチの時には颯爽と登場。
って、これ普通のヒーロー物じゃあ逆だろう!?
男のためなら、髪を切ることも厭わない女。
彼女のおかげで試合に勝てたということは言うまでもなく、
彼女が出たために、主人公の弱さが完全に露呈した。
しかし、そんな彼女に対してどうしても思い浮かぶのは、
「あきらかにご都合主義じゃないか?」ということだ。
そこで。
彼女に対しての矛盾のないストーリーも、ほぼ完全に補完してみた。
シンとの恋に破れたムイは、はじめそのまま黙って姿を消そうとした。
しかし、シンの決勝戦の姿だけは見ておこうと、サッカー場へ。
その際、二度と会うこともないし、絶対に姿をばれることもないように、
修行着に着替えていた。シンがムイを見つけられなかったのはこのせいだ。
ムイはシン達が結構苦戦していることを知る。
サッカーを良く知らないムイだが、横に座っていたおじさんが妙にサッカーに詳しく、
「ああ、八人以下になったら失格なんだよなぁ」とかほざいているのを聞いた。
前半が終わった後、もう黙って座っていられず、ムイは選手休憩場まで行く。
と、丁度その時、選手が二人逃げ出してきた。
頭の中で計算機が単純な計算をする9−2=7
このままではシンが負けてしまう。
そんなのは嫌だと思った彼女は、自分が選手になってもぐりこもうと考える。
しかし、今の髪型では女と丸分かりだ。
「待っていて、シン!」
彼女は決意を胸に秘め、女子トイレで自分のカバンから携帯エチケットバックを取り出し、
剃刀で髪をジョーリジョーリジョーリ。
・・・・・・でも、
登録していない選手は急には登場できないと思うぞ♪
はい。んなこと言っちゃあいけないよ(苦笑)
てか、見終わった瞬間私は思ってしまった。
太極拳最高!!
・・・・この映画間違ってないか??
以上。レビューというか、いかに面白いかの説明集になってしまった気もする。
てかなによりも、ハンLOVEな文章なのが気になるところだが、まあいい。
とにかくこの映画には男が多い。素晴らしい女も多い。
泣くことはないと思うが、とにかく笑いまくる時間を過ごせることもうけあいだ。
最後に、映画を見るにあたって気をつけて欲しいことを。
矛盾が出てきても恐れるな!
自分に都合のいいように状況を作り出せ!
・・・・しかし笑ったなぁこの映画。
シリアスの場面が分からなかったもん。