「海の上のピアニスト」

メディア 映画
上映時間 125分
製作国 イタリア/アメリカ
公開情報 アスミック・エース=日本ビクター
初公開年月 1999/12/
ジャンル ドラマ
監督: ジュゼッペ・トルナトーレ Giuseppe Tornatore
製作: フランチェスコ・トルナトーレ
原作: アレッサンドロ・バリッコ
脚本: ジュゼッペ・トルナトーレ Giuseppe Tornatore
撮影: ラホス・コルタイ Lajos Koltai
音楽: エンニオ・モリコーネ Ennio Morricone
 
楽静的点数
84/100
出演: ティム・ロス Tim Roth
プルイット・テイラー・ヴィンス Pruitt Taylor Vince
メラニー・ティエリー
クラレンス・ウィリアムズ三世 Clarence Williams III
ビル・ナン Bill Nunn
ピーター・ヴォーガン Peter Vaughan
イーストン・ゲイジ
コリー・バック Cory Buck


時は蒸気船が世界を制した20世紀前半のお話。1900と、忘れ去られし19世紀最後の落とし子として
客船で見つかったのが映画の主役(実際には彼のお話を語るサックス奏者が主役とも考えられるが)
なんと彼は船から降りたことがないという。

「鍵盤の数は88って決まっているんだ。だけど、外の世界は広すぎる」
陸地の大きさに大きさに恐れをなし、彼は外へ出なかったのだろうか?

それは違う。

自分にとって
有意義な一生を送るために、彼は自分を必要としてくれる場所にとどまったのだ。
例えどんなに船に親しんだ人でも、嵐の中でピアノを引くスリルは知らないだろう。
外の世界からやってくる奏者を負かす喜びもない。
そして永遠でないからこそほろ苦く胸に残る恋愛も。
そう言った意味では1900は幸せだったのかもしれない。

でもね
気になることが
一つだけある。




1900よ、



お前はどうやって生きていた!?





ラスト間際で感動する家族をおいて叫んでしまった。
いや、だって解体作業が進む船だよ? 
見つからないってだけでもすごいけど
食べ物なんてあるわけないじゃん?
なに食って生きていたんだ?

そう考えて浮かんでくるのは、そう、タイタニック号が沈むときも客船から逃げ出していった
多くの小動物

It's a rat!!

……しかもあの船の中に炎なんてあるまい。
固形燃料くらいはあるかもしれないが、
生来ピアノを弾くだけだった彼が、果たして
使い方すら知っているかどうか……
なんせ彼は大人になるまで女性がどういうものか理解できてなかったくらいなのだから。

だが、ピアノを神業で操る彼の指は
しなやかで丈夫だろう
鍵盤を時に強く、そして優しく叩くのに適した指は間接部や、
筋肉の接合ポイントも
楽に割り出すことだろう


そして……


はい。ごめんなさい。
もう想像できません

ふと考えてみれば、名作も恐ろしげな世界へ突入してしまう。
そんな事実が物寂しい今日この頃でありました。