2000年8月の作品

今日旅だつ人の歌  楽静 2000/08/01(火) 23:30:48

澄み渡る青空
東から吹く風 思い運んでまた空へと吹き上げて行く
歩きつづけようこの道を
いつだって日は行く先を照らしている

闇に覆われるときもあるね?
だけど誰かが言ってたよ
「明日はまたやってくる」

朝こない事恐れて 目を閉じなかった少年の僕は
いまはもう
そんな事さえ忘れて 空の青さに顔しかめているけど

この光あるから生きていける
歩きつづけられる夢に向かって
たとえ砕けやすい明日だっていい
もろい思いもみな踏みしめて新たな明日を作るから

さあいこう
僕と一緒に





望み? それはくだらなくても  楽静2000/08/03(木) 00:31:50

伝えたい言葉 心の中で止まっている
いつかいえると信じて

でも
あまりにも簡単な言葉すぎて
口に出せない

コンビニで一円拾ってくれた会社員
電車の中で足踏んでも起こらなかった高校生
いつも朝起こしてくれる弟

ごめんね
そしてありがとう

面と向かうと照れちゃうよ
たったこれだけの言葉なのに

誰にだってあるよね そういうこと
明日こそはいえますように





結局僕には無理だった  楽静2000/08/05(土) 00:29:13


ねえいっそ
そのくいで僕を貫いてくれ
不必要な命なら
この肉体ごと灰にするから

なぜ 君だけを助ける事が出来ないんだろう?

君の心にささやけない声なんていらない
君を慰めるために必要だった手も
君に笑いかけるための目も
君が 僕ですくわれないなら必要ない

ねえ
いつまでも悲しんでないでよ

ほらもう僕はこの胸に
君を守れなければこの胸をと
なのに君は
なのに君は……

僕が灰になったなら
君は 「バカな奴」と笑ってくれるかな?




Am2:00の後悔の中  楽静2000/08/07(月) 01:40:31

どこで私は道を間違えたのだろう
右
左
そんな単純ではなかった 人生の途中で
なんとなくで選んだあの道を 
いまさら振り返り悔やむ私がいる

愚かにも気づくのが遅かったせいで
あの人はもう私のそばにはいない
時を戻りう事できないと知っていて
なぜ
あの時私は この道を選んだのか?

……すれ違う人々の背中
「あなたは正しい道を歩んでいますか?」
聞きたくて 呼び止めれない私が
今日も、闇に解けて行く





町のはずれはいつもポーカーフェイス  楽静 2000/08/07(月) 23:27:56

仮面ばかり 町の中に並んでいる
本音を隠して
詩人は今日も街角で 歌を奏でる
聞く人もないままに たった一人
だけど私は知っている
彼も 不幸の仮面をつけているだけ

なぜ
詩人は何度も別れの歌を歌えるのだろう?
なぜ
彼らは何度も苦しい過ちを繰り返すのだろう?
やがて生まれてくる新しい出会いよりも
なぜ
切ない終わりを歌いたがるのだろう?

いつだって希望と絶望が繰り返し
やがて人は 仮面をつけ素顔を隠すことになれて行く
「楽だから」
そんな逃げさえも
やがて自然に口を出てくる

そんな人間になりたくなくて
素顔のまま傷つく人たちがいる
私は彼らに憧れながら
彼らの素直さを
哀れんでいる自分に気づいている――





電話では送れない愛  楽静2000/08/09(水) 00:55:33

君だから
私は会いに行くのです

君だから
私は切なくなるのです

君のためなら死ねる なんて
冗談でもいえないけど

君のために生きて行くから
君と共に

君だけと?
……ちょっとそれは自信ないけど
だけど結局
私は君のそばにいるから

だから もう悲しまないで
君が誰でも私は君にあっただろうし
君がどうなっても
私は君のそばにいるから

私に君の名を呼ぶ資格をください――





贖罪すら……  楽静 2000/08/10(木) 02:46:45

また 傷つけた人の涙で
私は現実を流される

なぜ生きて
  動き
  息を吸うだけで

知らずに人を傷つけているのだろう

誰よりも優しくなれるように
誰よりも笑顔を浮かべるように
自分の 真実閉じ込めてまで無理してたけど

けっきょく私は
原罪を捨てきれないのだろうか





ほんの少しで人はね  楽静 2000/08/12(土) 00:27:32

どこへ行こうか?
そうつぶやいてみたけど
言葉は闇に飲み込まれて
ストンと空虚だけが背中に負ぶさってきた

欠けたつき見て思い出すよ
まだぼくら みな満ちていた時


ここまで来たんだからいい加減
疲れたっていっても良いかな?
仲間のつぶやきに
皆そろって首を振った ……仲間だから

これからも長い道
どこへいけるかわからないけど一緒にいたかった奴ら
それを僕らは仲間って単純に呼んでいたけど
満ち始めた月が欠けれて行くように
やがてぼくらはそれぞれ闇に飲み込まれた

どこへ行こうか?
今日の月はいつもより黄色いんだ
だから今日は
久しぶりにあいつらの携帯鳴らしてみようか

また満ち始めたつきのように
捕らわれた闇ぬけられるように





those days 病室の白い壁に挟まれて  楽静 2000/08/13(日) 23:51:26

泣きながら
あなたは私の右手をつかんでいた
つらそうに
悲しそうに


でも

私はあなたの意味がわからなかった


目を赤くして
頬に流れた涙であなたの顔は酷く醜く見えた
泣きながらあなたは
「どうしてこんなことを」って
だけど
私には説明できる事なんてなにもなかったから
ただ首を振ってみせた

「私が悪いの?」
あなたはそう聞いたけれど
私には
あなたがなぜ罪悪感を持つのかすら分からなかったので
何もいえなかった

ただ
あなたの歪んだ顔よりも
もっと醜くなるだろう
この
包帯で隠された右手の事を思っていた





I wish もしも空へと願いが届くなら  楽静 2000/08/15(火) 00:07:22

君の体を抱いたまま
僕は石になりたい
今という時間と
君の思いを永久を刻める形へと変えて
この僕の
人の
薄れやすい愛情も全て形残せるものへと変えて
僕は君と石になりたい

そして僕らは二人
どこか小さな丘の上で
ただ海だけを見て たちつづけるのさ

……形ない願い
叶えられない僕の夢





そういや誰かが言ってたな「もう疲れた」って  楽静 2000/08/17(木) 01:25:48

なぜ
誰もが傷ついて行くのだろう?
私が何をしたわけでもないのに
だんだんと
私の周りから人が離れて行く

一人はいやだ
一人はいやです

騒いでばかりの仲間が
いつの間にか消えていった
ざわめきが消えたときの怖さを
誰もが思い知ったから

ふざけた話ばかりの仲間が
いつの間にか消えていった
皆一人一人が
これからの先ジョークに出来なくなったから

夢を語り合った仲間が
いつの間にか消えていった
現実のほうがよっぽど
夢物語だと誰かが口にしたから……

誰もが
皆一人で生きられると私を置いていった
そして
一人きりでひざを抱く私が
今日も 部屋の隅でうずくまっている

一人
救われる時求めて





人生長いんだから、焦らないで行こうよ  楽静 2000/08/24(木) 00:13:21

のんびりやろうよ
急いだって何も見つからないらしいよ
マラソンランナーじゃないんだし
100mで世界記録でも狙ってるの?

最近空見てないなって思ったら
空を飽きるまで見てれば良いじゃない
「時間が無い」「忙しい」
そんな事ばっかり言ってたんじゃ
いつの間にか大事な物なくしちゃうよ?

人生長いんだから ほら
今日ぐらい携帯の電源OFFにしてさ
企画書なんて要らないって
手を繋いでいこう?

まず どこに行こうか?
そうだね のんびり空ができる丘にでも登ってみよう






世紀末に起こる小さな疑問  楽静 2000/08/27(日) 00:03:15

声かれるまで歌いつづけて
血を吐くほどに
その苦しみを
悲しみを
天へと訴えつづけた詩人達は
一体何をえたのだろう?

崩れていく世界を守る事に責任を感じ
誰も彼もが自分を押さえる事に躍起になっている中で
一番自分の感情を押さえる事をしなかった詩人達が
今日も街角で崩れたように眠っている

歌をもう歌えずに
言葉をもう語れずに
求めていた事忘れて
ただ
詩人はうつろに天を見上げる
崩れていく世界
何もすることなく歌を歌ってた彼らは
結局
無駄な日々を送ってたのだろうか?