2001年 二月の作品たち
時はいつも無情に僕らを流しつづける 楽静 2001/02/06(火) 00:48:19 「もう戻れない」 そう呟いて歩き出した道は いつか どうしようもないほど 暗闇に向かっていた 泣いても誰も助けてくれない 自分に対して怒っても それは 過ちの理由にはならない だからこそ また呟いて歩いて行こう 「もう戻れない」 たとえ ふり向いた先に光が見えたとしても この道を戻る時 きっと 僕は僕じゃなくなるから トラベル! 楽静 2001/02/14(水) 02:54:19 旅たとう この風に乗って 希望という名の真白な翼 はためかせ 傷ついても 破れかけても 諦めないで 泣きそうになったり 悲しすぎた時には ほんの少し振り返ってみなよ ほら そこに僕がいる あなたの好きな誰かがいる あなたを好きな誰かがいる 鳥が 恐れを見せずに飛び立つのは その後に翼はためかす音が聞こえるから だから あなたも耳をすませて 羽ばたこう 希望の羽で 希望の羽ばたきに 耳をすませながら ダメな自分と思うことは簡単だけど。 楽静 2001/02/22(木) 00:27:21 家の中で明りを消して まどろみながら 今日という日を一人考えてみる 今日も私は一人だった 明日も私は一人だろうか? 切れかかった蛍光灯の光のしたでは 瞬くような自分の姿 余計惨めに見えるのは分かっている だから今日も明りを消して 私の存在が 闇に溶け込んでしまうようにじっと 息すらも 小さく 小さく 小さく…… そして私は眠りにつく 目覚めた明日はもっと ましな人間になってることを夢見て 今日であった君へ 楽静 2001/02/23(金) 00:19:16 ひさぶりに会った友に 「お帰りなさい」と私の笑顔を それだけで分かり合える友達 なんか まるでどこかの青春ドラマみたいだなんて笑いあった 誰だって 愛されるために生まれてきた 誰だって 愛すために生まれてきた それを否定する事は ただ寂しくなるだけでしょう? 愛なんて聞くと照れちゃうけど 一緒にいるだけで楽しくなれる。それだって立派に愛し合っているんじゃない? 君と出会えたことが僕の人生の価値だって思えるから 君に与えられる喜びが 僕の喜びになる事を知っているから これからも 君と友達でいたい 待ち人へ 楽静 2001/02/23(金) 00:23:45 町の片隅で携帯握って マナーモードで 誰かまっているその肩が とても僕には小さく見えた 何気なくむいた瞳が 私の瞳とぶつかり 慌てて 何事もなかったかのようにそっぽを向く きっと見つめる瞳に待ち人を想像したんだね? 待ちつづける小さな肩のために 僕は歌を贈るよ 諦めないで 思いが届かない日があっても 空を見上げて涙拭って あの青い空を 「届かないものなんていくらでもあるさ」 そう青さが僕らに教えてくれる 望む夢の向こう側には いつだって暗い影が付きまとう いい想像をしようとすると 嫌な考えも浮かんでくる だけど 肩を落とさないで 思いつづければ きっと誰かに届く あなたの事を 愛してくれる そんな人に 聡明な詩人へ 楽静 2001/02/25(日) 01:29:51 「この世界が……」なんて壮大なテーマで書き出そうとしたら 二行半で 苦笑しただけで終ってしまった 僕は聡明な詩人じゃない 間違いばかり犯している僕は きっと 真実なんか歌えない 身近な愛にも戸惑いすぎる僕は きっと 人類愛なんて叫べない それでも僕が歌うのは 身近な誰かのためなんだ 大切で 大切すぎて傷つけてしまう そんな誰かのためなんだ 抱きしめたくて 遠ざけてしまう 愛を語りたくて 無視してしまう そんな 近くにいるのに遠い人のため 僕は 歌を作っているんだ 聡明な詩人よ僕を笑ってくれ たぶん僕は君にはなれない だけど聡明な詩人よ 僕は きっと 君に歌えぬ歌を歌える 背を向ける人 楽静 2001/02/27(火) 01:04:14 「理解できない」と背を向けたまま 恐れている 理解できない者達の反抗を だから あなたは気付かない あなたの背を見て 私たちの心に憎しみが育つ事に 逃げてしまえば楽なんだろう だから誰もが語る事を拒否するのだろう 分かっていても許せずに 私達は閉ざされた門のような背中を憎む 逃げることで得た安心は いつか 冷たい瞳となってあなたへ還るのです だから 私達に背を向けないでください ただ 私達はあなたに言いたいだけなのです 「私から目をそらさないで」と―― 神よ時にあなたに頼る私を…… 楽静 2001/02/28(水) 00:31:42 私はここにいる 雨の時も 風の時も 雪の時も 誰もが嘲ろうとも 誰もが背を向けたとしても 私はここにいる ただ 答えを待っている だから教えて欲しい 誰か 私の生きる意味 生きている価値を |