2001年 六月の作品たち

自分     楽静 2001年6月4日

頼りない自分を
頼ってしまう他人を
このままでいいはずないと
思いながら何もできない
夕暮れにとらわれたままで
歩き出す疲れた足取り

もう何かにとらわれている
逃れたいと思いながら

なにによって 僕らは許されるのだろう
あきらめれば帰れるというのなら
僕はそうしたい






当たり前        楽静 2001年6月4日

当たり前の事実に
当たり前じゃないってむきになった
このままじゃいられないのに
なぜか
当たり前の事実に賛成できない自分がいる






何時          楽静 2001年6月4日

何時だって人は生きるために他の者、存在の命を消す
私たちが生きていること自体が罪だとは
思わない
思いたくもない
だけど考えても見ろ

どうしたって倒れるかもしれない






TIME          楽静 2001年6月4日

時の流れ追いつけなくて逆らって
ある一日の悲しみの
これ異常ないってくらい嘆いたとしても
それはそのまま追い続けるのさ

いたみはそして終わる この世界は
決して
決して許されるわけないんだ

ありきたりの午後土曜日の暇つぶし
当り障りのない言葉

明日はどこだって自身に言い聞かせ
とてつもない気持ちだけで今日を歩んでいる

打ち解けられず背中丸めて誰にも言えない感情を痛みだと思い込み
そしてすべてを忘れたいと願う

だけど過ちはあるもの
誰もが救われたいと願うもの

だから何も言わず明日のため?

歩き続けようか
歩き疲れようか

すべてが忘れられるのならば
決して今日がないのなら
どうしたって歩いていける

いられる 見れる これからもきっと






やりたいこと     楽静 2001年6月4日

やりたいことだけを探して
それだけに一生を使っていた
もうすこしとか遠慮はしないで
自分の性分を十分に理解しているつもりだから
どっちらけになろうとも寝たふりはしたくない

そしていつか
そういつか

夢は溢れ道を這う
僕らはやがて何人にもわかれ

そして

これから徐々に現れる
希望の道を






問い掛け       楽静 2001年6月4日

走り続ける線路の上
なぜ走る? 三分間の出会い
三分間

忘れられない痛み
生まれるドラマ
どうしようもない一日
通り過ぎるロマン

当り障りのない日常時を越えられず
早く生きようとあせったとしても
一日は無駄に流れこの町は死滅していく

くだらない怒りがあるのなら
街角で騒ぐことも許さずに
生きていく力と生きている力

信じながら行く 生きましょうか

嘆いたって忘れられない悲しみ
どうしようもない悲しみが
受け続けているためにいようと

当たり前のこと当たり前と思う前に






希望         楽静 2001年6月4日

天へのびていく銀色の光
希望という名のあの光がまぶしすぎるから
僕らはみな目をそむけるしかなかった
何ができる?

そんなものは知らない 何も分からない

だけど

立ち止まっていては何もできないことにもう気づいているから
がんばるしか無いのなら がんばって 歩き疲れたら寝てしまおう
それが人

多分 きっとそうだと思う






簡単         楽静 2001年6月4日

かんたんなんだ

風があたる
町の中で僕は光を受ける

この町のどこかに、それはあるんだ
当り障りのない夢が無駄にあるんだ
この町に生まれてくる

見切れる目手に入れないと






またさ        楽静 2001年6月4日

間違いなんてないさ
間違いだけじゃないさ

まぁいっかなんておもってないし
まじめな一生送ってるさ

マラソンランナー走ってばてたさ
まあるい月が出ていたさ

まったりしすぎて生きていくのさ
まーいっかって歩いているのさ
まだあの時はさ

まただあるがままでてるさ






「まあいっか」で捨てた物 楽静 2001/06/18(月) 23:49:15

「まあいっか」
そんな言葉で捨ててしまった貴方の想い
私が探しに行きましょう

なぜ?
そう なぜ と貴方は聞くでしょう

捨ててしまった物だから
あきらめてしまった物だから
今更手に入れたとしても
それは無駄

そう貴方は言うかも知れない

だけど
だけど

私は貴方が好きだから
貴方の必死が好きだから

意地悪かも知れないけど

「まあいっか」で貴方が捨てた 何か
今日も探しに行くのです

さぁ
貴方も一緒に探しましょう?






「覚えているか?」って聞きたいのに 楽静 2001/06/30(土) 00:53:46

「忘れてないよ」
そんな一言を聞きたくて
電話かけようと受話器取った

耳元に聞こえてくる 電子音

電話番号 震える指で押していく



そして
受話器を置く小さな 音


「誰?」
そんな小さな言葉でさえ 恐れてしまう僕がいる
思い出を思い出のままで
輝いた過去が 色あせることが怖いから

黄ばんだアドレス帳に書かれた
ちょっと几帳面なお前の字

いつか
いつかって思いながら

今日も 睨むだけで終わってしまう
暑い午後
後悔だけで 終る夜