2001年 9月の作品たち
だったらいいな…… 9/1 「だったらいいな」で世の中は廻ってく あまりにも弱く あまりにも身勝手で あまりにも……悲しい だけど 人は願わねばいけない生き物で 希望は 人たちの生きる糧なのだから 「だったらいいな」で世の中は廻っていく それも もしかしたら素敵な事なのかもしれない なんてね そんな「だったらいいな」で作られた あまりにも微弱な 空への呟き 何ができるか 9/2 何ができるか問い掛ける前に 目の前の事に手を伸ばせばいい 問い掛けてばかりじゃ何も見えない それよりも 目の前にかざした手 その手の平にあたる光に きっと 見えるものがあるんじゃないか? 何ができるか問い掛ける前に 目の前の事に手を伸ばせばいい 立ち止まってばかりで 俯いてばかりじゃ見えないもの それを見つけるために 風 9/3 新しい風の匂いに 懐かしさを覚えるのはなぜ? かつて自分がいた場所へ その風はふいていたから 新しい風の色に 嬉しくなるのはなぜ? 色あせた気になっている自分の色 取り戻した気になれるから けれど 新しい風は喜びだけを運ぶのではなく 時に苦しみすらも運んでくる 親しんだ古い風が流れ去っていく 悲しみ 寂しさ それでも 新しい風に耳を傾け 新しい風に吹かれながら 君は 君の風を感じる today 9/4 明日を夢見て生きるより 今日1日を精一杯に 明日に何かを延ばすより 今日1日で思い叶えて できないことは確かにある けれど できないと決め付けた瞬間 失うものを恐れなさい 「明日があるさ」と笑うより 今日1日に涙を流して そして 歩を踏みしめて 明日のために 人は今日を生きる 壁 9/5 思い通りにならない壁が 目の前に立ちふさがった こぶしで叩いて 足で蹴り上げても 壁は悲鳴も上げず 壁はうめきもせず 高くそびえたまま 怒りも、哀しみも その厚き体へ吸い込んでいった 何をすれば良い? 何ができるという? 己自信の力の限界を感じ ひざまついて祈る人々 けれど けれど壁は崩れたではないか あの東と西に人を分けた強固な壁は たった一夜にして 情熱と、熱気の前に崩れたではないか 祈ってはいけない 立ち止まり、ひざまついてはいけない それでは壁は壁なのだ 決して壊れぬ壁なのだ だから 君よ 壁に進め 壁に挑みつづけよ If(あきらめモード) 9/6 If....... そんな事を考えるのは辞めよう あまりにもくだらない夢 冷めた後に虚しくなる幻想 己自信の可能性を活かす時間を減らすだけ 判っている 判っているはずなのに人は 己の夢に埋もれる やがて覚めると知りながら なおも抱きしめながら深みへと なぜならそれは 力弱き人間の 浅ましく くだらない それでも大切な 想像という名の「力」だから 理由(わけ) 9/7 君はなぜここにいる? 何のためにここにいる? 過ぎ去っていく時間 消費する為に繰り返す溜息 こんなはずじゃなかったのにと 振り返りながらも立ち止まれない 君はなぜここにいる? 何のためにここにいる? 悩みながら それでも前へと決めたから 自分の進む“理由”(わけ)ってやつを いつか この胸に燈せるように 虫になりたいと想う日 楽静2001/09/07(金) 00:47:00 僕らは虫になる 誰からも悔やまれない僕らだから 誰からも憎まれず 誰からも疎まれる そんな虫に やがて羽音を響かせて 僕らは飛び立つのだ 野鳥に命を喰われる為に この体の存在意味を 何かの命に足される事で味わう為に そう僕らは虫になる 意味の無い人生(たび)を進めるより その方がきっと 僕ららしいから 君もなりたいかい? dream 9/8 望みの無い現実を見つけた途端 アリスは部屋から逃げ出した 遅刻しそうなウサギと一緒に 夢の世界へ逃げていく どんなに絶えられない現実だとしても 夢のままでは進めない それでもアリスは夢の中 彼女自身の夢の中 やがて 居心地のいい夢は悪夢となる 夢は還ることをせかし始める 暗闇に その中で輝く双方にアリスは脅え 覚める事を願いながらも恐れてる 現実を 現実の中の絶望を けれど彼女は気づいてない 夢の中には決してなく 現実だけにあるものを 友を アリスの側にある 友情という名の希望を 君が持つもの 9/9 空を飛べると信じていた子供の頃に 君は二度と戻れない 汚れつづける両の翼じゃ 重くて空に羽ばたけないから 生まれたばかりに真白だった翼を抱いて 君はどれだけその白さを保てたのだろう? 例えばそれは初めて言葉を発したその時から 翼は汚れ重くなっていったのだろうか? 羽ばたけないこと嘆きながらも 君は何かを手に入れた 変わったのではなく育つ事で 今の君である事で 君は得がたいものを得ている そう それはつまり 例え空を飛べなくとも 君はきっと 空にあるものを持っている 雨の中で 楽静 2001/09/09(日) 22:41:01 雨の中で泣いてる子供 痛々しく救いを求めるように 踏み出しかけた足を 私は逆方向に向けていた 浮かんだのは無力感 罪悪とも思えるほどの 「偽善」という二文字の言葉 私に何ができる? 何もできずに何をする? 問いかけに答える事はできずに 私は雨にぬれていた やがて子供は両手を前に差し出して 捜し求めるように歩き出す 動けないまま私は願う 誰か 誰かがあの子へ手を貸しますように それでも子供は濡れつづける 泣き響く声 何も出気ない私 燃えるためには 9/10 君が燈した炎は 降り出した雨の中でも燃えているかい? 情熱という 強すぎる光撒き散らした炎は いつのまにか雨の中で縮こまって 今にも消えそうになっているんじゃないか? 情熱だけじゃ 君の炎は雨に勝てない 火を燈しつづけるたゆまぬ努力 その汗に塗れた思いを誰かは笑うけど 時に努力は 額に浮かぶその汗は ただそれだけで炎を天に届かせる だから君よ もう一度聞こう 君が燈した炎は 降り出した雨の中でも燃えているかい? 溢れるほどの情熱と それを支える努力を 忘れてはいないかい? 夜店の金魚 楽静 2001/09/10(月) 22:49:35 口をあえがせ やがて入って来るかもしれない何かを待っている 可哀相なお前 行き場を失った目は 宙に漂ったままで 映すことのない希望の前に濁りつづける 時に体を浮かせながらも この透明な牢獄の中で お前は足掻き苦しみつづける その表情は変わらぬままに やがてこときれる時 お前は初めて お前をその牢獄に閉じ込めたものの声を聞く 言い訳がましい 死へと流れるお前を汚らしいものと決め付けた言葉 そしてお前は誘われる どこへ? 誰もが行く場所 あえがした口の中 何も喰う事のないその口が すでに必要のない場所へ 太陽 9/11 外を出れば夕焼け あまりにも赤い空に 何が起きても不思議はないそんな事を考えた かざした手にこぼれるほどの赤を拾いたい それは当然不可能だけど 夢見がちな少年のままでここまできたから もうすこしだけ 夢をあざ笑わない生き方をしたい 赤い夕日の下で 今の自分を認めてる自分 そんな自分に気づいて 苦笑する自分 太陽はいつだって僕らを見つめて そして僕らは いつでも何かを受け取っている 現(うつつ)の夢 9/12 夢を語るたびに瞳輝かせるばかりで 君は今も歩き出さない 街に落ちる夕日眺めては 明日があるさと微笑む君は 「何がしたいの?」 尋ねた僕に君は笑って 多くの夢を語ってくれた 夢 希望 一つ一つは虚に響いて 鎖一つ繋がれていない君は 今日も夢だけを瞳に映す 歩き出さずに ただ明日を夢見て やがてまた夜がきて 君は旅立てぬまま 歩き出せぬまま 年を重ねる 夢は徐々に離れて行くだけ 輝きを君の中にだけ映して 二秒間の空白 9/13 時を止めたいと手にした時計を叩き潰した それでも進む時の中で 何かを失いつづける恐れ 自分がいない過去の中で 笑顔が消え去っていく 卒業式に写した写真 色あせもしないその中で 僕が笑う 楽しそうに あの時得ていたはずの何かを いつの間に忘れているのか 今の僕の笑顔はあの時には敵わない それでも 前に進みつづけたい 時を恐れずにいたい わずかな願い 僕の望み 止まった時計また動き出した 日の下で 楽静 2001/09/13(木) 01:51:27 雨が逝き 風がすぎた空を見て 初めて僕は 空を大きいと思った 両手広げても支えられない空 西へと沈みかける赤い太陽 その周りを囲む赤い雲たち 何もかもが大きくて そう思う自分がちっぽけで でも悲しくはなくて 僕は両手で自分を抱えてた 僕もまた赤に包まれている 稲妻みたいひらめいた考えに 思わず笑みを浮かべながら そして僕も空になる 浮かべなくても 輝けなくても 僕は今太陽と供にある 想いを伝えるため 9/14 想いを言葉だけで表せるほど 落ち着いた大人にはなりたくない 目で 笑みで この手で 体で 全てで自分を表したい だから君はここにいるんじゃないのか? 感情が体を動かし 体は言葉をかたどっていく それは 本当は言葉なんて必要なかった時代の日常 人類の記憶に深く刻まれた 表現という名の躍動する喜び それを今も忘れたくなくて 君はここにいるんだろう? 時には言葉を置いてみな 体で想い伝えるために 神 9/15 何のために生きているのか 悩むたびに人は 目に見えぬ存在を生み出してきた 僕らは生み出された存在なのだと だから生きねばならないのだと そう考えれれば楽だから 人は己より上の存在を生み出した それが神 安心はしましたか? 幸せにはなれましたか? 神という存在を生むたび 人はそこに安らぎを望む それなのになぜ 血が流れるのだろう? 戦いつづけるのだろう? 心の平安を 不安に押しつぶさせるのだろう? 所詮人が生み出したそれは 不完全で不恰好で 幸せよりも多くの不幸を作り出す それでも僕らは離れられず 心のどこかで 神なる存在を抱きつづける 神などどこにもいないのに Question 9/16 何がしたい? 何ができる? ささやかな問いかけ さがせない願い いくつも重ねて生きる毎日 何を求める? 何を得られる? 代えが無い人生(たび) 還れない時間(とき) そして 街角で俯く人々の群れ 何になりたい? 何になれる? 問い掛ける僕は笑顔で その手突き落とそうと構えたままで 病んでる街で 止んでる涙 何がしたい? 何ができる? ねぇ? 今日からどう生きますか 自分を否定する夜は 楽静 2001/09/16(日) 22:47:25 この街のどこかで 泣いている人がいるのだろうか? 道端で立ち止まったままで 赤い瞳まぶたで隠して 頬を伝う暖かいものを 誰かがぬぐってあげるのだろうか? それとも今も この星空の下で今も一人で 一歩もそこから動けぬままに 涙を流しているのだろうか? そんな事を思うのも 私の手が濡れているから 熱く火照った頬を冷やして 闇夜の中私より不幸な誰かを想う ただ 私が悲しくて また瞳の奥が熱くなる 一人の夜 認められない自分の日 若き虎よ 9/17 年老いた虎が月に吼えるその横で 若き虎が不器用に鳴く 溜息一つついて 年老いた虎はただ草地に寝そべるのみ 若き虎は力を込め 鳴く 細く 小さく まるで虎ではないかのように やがて若き虎は 己の弱さに気づいた その時若き虎の目は ただ一心に年老いた虎に注がれる やせ細り 力も無く ただ 吼え声だけは誰よりも強い雄虎へ 羨望の目に 年老いた虎はうるさそうに顔をしかめた 吼え声をねだる若き虎の 必至な訴えにもただ小首をかしげる ついに若き虎は泣き叫び 年老いた虎の前に頭を垂れる その時初めて もとは雄々しきこの虎は 威厳を込めてそっと呟く 「お前はもとから虎なのか? 虎であるふりをしているだけなのか?」 それすらわからぬ若き命に 老骨は何を教え諭せというのか ただ背を向ける老いた虎に 若き虎はただ一声 かぼそい泣き声を聴かせた 明日が見えないとき 9/18 明日が見えない そんな時がきた時に ただ 空を見上げてみれば良い 青い空を赤く染め 太陽は沈む どんな日にも同じテンポで 日々違う空の中 あの巨大な星は物思うことなく この青き星に 昼と夜とを手渡しつづける 凍えるほどの夜だろうと 何もかもが見えなくなる夜だろうと 必ず明日はやってくる 明日が見えない そんな時がきた時に ただ 空を見上げてみれば良い どれほど傷ついた君の目にも 太陽はきっと 同じ輝きを見せつづける 今日から 9/19 何をしたい? 何ができる? それがわかるなら始めなさい 「次から……」なんて言わないで 「今日は……」なんてうつむかないで 君だってわかるはず 同じ今日は二度と来ない 明日はまた違う一日が来る したいことあるなら できることわかるなら 見えない未来に置いているより 今のこのときを大切にしなさい 見える今を生きてこそ 見えない明日も輝くから 存在 I am here. 楽静 2001/09/19(水) 00:20:54 僕を見て 僕の目を見て 僕はここにいると 僕自身が気づけるように 誰もが通り過ぎていくから 体抱きしめた僕は 体が薄くなっていく やがて僕は街に溶け 空気に溶け ああ そして 見えないうちに僕は 僕ですらなくなるのだろう いつか だからそうならないうちに 僕を見て 僕を 僕がここにいるとわかるように 僕自身が気づけるように それがダメならせめて 僕を抱いてる僕を見つけて そっと 囁いてください 僕はここにいるのだと 世界が終わる時 楽静 2001/09/19(水) 23:19:41 世界が終る時はきっと 君の側に行くよ 例え 空がミサイルで埋め尽くされても 電車が一本も走らなくても 走っていくよ もしかしたら自転車に乗って だから 今は会えないかもしれないけど 我慢してよ? 知らない間に 君の隣りに 僕の知らない誰かを座らせたりしないでくれよ? 恐れ 9/20 目の前の壁を恐れたカナリヤは やがてその向こうにあるものを恐れはじめた そして彼女は飛べなくなった 飛べなくなったカナリヤは 周りにある視線を恐れた 恐れだけに射抜かれて 動けなくなったカナリヤは やがて鳴く事すら 恐れによって奪われた 鳴けない彼女に生はなく 鳴けない彼女はその悲しみを歌えない やがて 恐れに負け 心に負け 羽根の綺麗なカナリヤは 己の美しさにも気づかずに逝く 彼女を奪ったのは 初めはほんの小さな恐れ 目の前の壁が怖い ただ それだけだったはずなのに 空に 9/21 羽根を広げ君は空を見る 荒れ狂う空を 嘆きの詰った薄暗い空を けれど君は 「希望」というほのかな光に包まれ 「あきらめ」という言葉を野に捨てた 羽ばたきつづければいつか 雲の向こうに本当の空が見えるだろう その場を目指して君は飛ぶ 「あきらめ」はいらない 胸にいるのはたった二文字の言葉だけ それは「希望」 明日舞台へ立つ君に 9/22 明日君は 君しかかぶれぬ誰かの仮面をかぶり 君しか味わえぬ一瞬を味わう まばゆい輝き 静まり返ったいくつもの瞳 溜息すら巨大に聞こえるその場所で 君は 心を声という名の翼にのせる 君の鼓動は早まるかもしれない 体は動きを急いて 言葉は揺れてしまうかも知れない けれど決して恐れないで 君は一人じゃないから 君と同じ場所 君と同じ世界に 君を見つめる 君の仲間がいるのだから 恐れを振り切ったとき 君は 全ての人が魅せられる笑みを浮かべるだろう TOMORROW 楽静 2001/09/22(土) 22:32:54 何が起こるかわからないから 不安だね? もしかしたら 明日にはミサイルが飛んでくるのかもしれない だけど 何が起こるかわからないから 素敵だね? もしかしたら 明日君に微笑む子が現れるかもしれない 何が起こるかわからないこの世界 明日だって 不安や希望が溢れている だからいいのかもしれない だから 僕らは明日も生きられる がんばったね 9/23 「がんばったね」って伝えることは難しい だって努力に終わりはないから いつから始まっているのかわからないレース 振り向けないまま 走りつづけるこの人生(みち) 時には甘えたくなることも 泣き出したくなることだってあるけど 前を向いて走ってる そんな君に届けたい 「がんばったね」って単純な言葉 だけどその言葉の裏には 意味以上の想いがあること きっと君は気づくだろう 道はまだ続く 逆戻りはできない そして 続く道が楽だって保証も無いけど 「がんばったね」 今だけは足を休めて そして汗を拭いたら また走り出そう 次の場所まで 求めるものは 9/24 君の翼は何を求める? 青い空へと飛ぶことを? 風狂う嵐に立ち向かうことを? それとも 翼休め空見上げる事を? 何が正しいなんていわない 君が求める事を だれも間違っているなんて言ったりはしない けれど忘れないで 羽ばたく事を怠けるほどに そこに楽さを求めるほどに 君の 両の翼は汚れ果てていくことを この檻の中で 9/25 君は「自由」に捕らわれたネズミ ただそこには檻など無い あるのは無数のドアと君がいる場所 どこから出るのも自由で だからこそ怖くて 捕らわれたままの君がいる 君は「自由」に捕らわれたネズミ ドアの外は? 光? 闇? 空? 海? それとも緑の広がる陸地だろうか? どこにつながるかわからない だから君は逃げられない 有り余るほどの「自由」に捕らわれて 今日も君は途方にくれる 君は「自由」に捕らわれたネズミ 逃げる怖さに震えるネズミ 今日も「自由」を見渡して 君は寂しく顔をうつむかす どこへ行っても君が君だと気づいたら 君はもう 捕らわれはしないはずなのに 夢を目指して 9/26 夢を追って羽ばたく時 きっとその目は輝くだろう 夢を目指して雨に耐え 翼痛める事も恐れない そんな強い私になりたい 今はまだ形になり始めたばかりでも 夢はいつか現実へ そう信じて私は飛ぶのだろう この空へ 夢のなる明日へと 道の途中で 9/27 一人で歩くこの道は かつて横に誰かがいた道だった 笑いがあった 怒りがあった 涙があった 多くの感情が溢れて 素敵な時と悲しみが流れた 今は一人 風の音を聞きながら 空の匂いを感じてる どんなに面白い事を見つけても そのあとには何もない 喜びも 哀しみも 怒りも 次に誰かと歩くとき また感情は戻るのだろうか? 一人 その事実が虚しくて ただ 足早に道を進んだ 死への秒読み 楽静2001/09/27(木) 23:05:51 多くの血が流れた 多くの涙が流れた そして悲しみが生まれた 灰色の空に人々は太陽を認めず 明るさを拒否し怒りを受け入れた そしてまた血が流れる 怒りは何を流すだろう? 血を? 涙を? そして多くの悲しみを? 骸がつまれる 太陽は光りつづける やがて怒りが晴れる時 人は また天を仰げるだろうか? この道を 9/28 「前が見えない」 そんな焦りが 続く道を見えなくする 追い立てられる日常 進まなければ置いていかれる 前を向いて急ぎ足で どこへ進んでいるのか分からぬまま 何がしたい? 己への問いにその足を止め そっと後ろを振り返る くたびれた顔で歩く誰か 日常が通り過ぎていく ここはどこ? 置いていかれた者に道は見えない やがて暗闇の中で苦しむだけ ならば道がなくても進めと そうしなければならないのだろうか? 答えなどは見つからない あるのは続くこの道だけ 置いていかれることが怖いから これからも歩きつづけるだろう いつか 答えが見つかると信じて 進めないまま 9/29 君が探す 君にしかできないこと 誰かが探す その人にしかできないこと そうやって世の中は流れてく ゆっくりゆっくりと いつの間にか 見つけられない人を取り残して なにがある? 今の自分が嫌いなのに 自分のための道なんか見えない 今の自分は弱すぎるのに がんばる事なんてできやしない 下を向いて 過ぎ行く人を追うのでもなく 探せない 自分だけのものなんて このままどこまで立ち止まっているんだい? 日常は繰り返す だけど 君の中の時は廻り続けるのに 雨の中で 9/30 雨の中を一人歩く少女がいた 傘も差さず濡れたままで 差し出される手払いのけた 何を求めているの? 君は尋ねる べつにと少女が言う きつく握り締めた両手は 何ものをも拒んでいた 冷たい雨の下 求める事を拒んだ少女 体中を雨にさらして 体伝い落ちる雫払いのけもせず ただ前を見てる 何が見えるか知りたい だけど濡れるのが怖い君は いまだ傘を捨てれず立ち止まったまま 少女から目が離せない 追う夢は誰もが違うものだと 君が気づくのはいつ? |