2001年 10月の作品たち




新しい日を     10/1


明日からまた新しい日を生きよう
今日までの「私」洗い流して
新しい目で物を見て
新しい耳で音を聞いて
新しい腕で足でこの大地を確かめよう

毎日を新しく生きる
そう心がけるだけで
きっと君は新しい何かを見つけるだろう

それは美しいかい?
それは醜いかい?

分からないけど
何一つ明日にならなきゃ分からないけど

明日からまた新しい日を生きよう
君自身が枯れないように
いつでも新たな日を浴びれるように





夢     10/2


夢を見た
誰もが笑顔で
仲良く笑っているそんな夢

目覚めれば全て虚しくて
悲しみだけが
僕の心をおおってしまった

夢のとおりとまで言わないけど
夢だから
夢に近づけていきたい


それは遠くて


だからこそ近づきたい


今度は何を夢見るだろう?





not Perfect    10/3



間違えたっていいんだよ?
完璧なんて魅力が無いから

間違えないようにって思うたび
君の体は硬くなる
君の心に余裕はなくなり
君の
本当の美しさは現れない

「完璧」なんて唱えるたびに
本当は完璧からは離れていること
君はいつ気づくんだろう?

間違えたっていいから
素敵な君でいればいい
完璧なんていわなくても
君は十分輝いてるから

何度だって僕は言おう

間違えたっていいんだよ?
完璧なんて魅力が無いから





「何で生きているの」って言われた時に    
           2001/10/04(木) 22:23:51



あの日教室の窓に座って
泣きもしないで君は言った

「なんのために生きているの?」

呆然としているような
少し怒っているような
だけど
言葉に感情は篭ってなかった

あのときから僕らは
ほんの少しだけ大人になって
今も君は一人になると
「何で生きているの」なんて思ったりする

だけど
それでも君は生きていて
たまに僕らは飲みもする

それでいいんじゃないのかな?
そう思っちゃいけませんか?

理由が会って生きているのではなく
今生きているから生きている
「単純だよね」
って君が笑うかもしれない
だけど
そんな笑顔の君がすきだから
あえて僕は真面目な顔で何度も言うよ
生きているから生きている

だって
君はここにいるもの





大切       10/04



「あなたの思いを大切に     
見えないからこそ大切だから」

そう僕に教えてくれたあの人は
いつの間にか見えないものだけ追い求め
見えてる僕らから離れていった

「大切なものは見えないの
 だから私は探しているの」

見えないのならそれがなぜ
大切だって分かるんだろう?
あのときの僕の問いかけに
あなたは答えてくれなかった

今はどこにいるのですか?
冷たい部屋
白だけに覆われた場所
汚れを知らず閉じ込められて
あなたはまだ見えないものを探していると
そう誰かに聞きました

見えないものを大切に
それはきっと大切な事
だけど忘れないで

見えてるものも
同じくらい大切だってこと





神様どうか      2001/10/05(金) 11:59:22


神様どうか力を貸して

あの子は今は飛べない鳥
真紅の翼を投げ捨てた鳥
傷ついた体包むものさえもたずに
うずくまる 頭を抱えて

あの子に僕は何ができる?
遠い場所からただ眺めてる
あの子が漏らす嗚咽は時々
僕の心を傷つける

踏み出した足そのまま戻して
いつかあの子が振り返り
僕に気づくその時を僕は待つ
ただ待ち続ける

君は弱くなんかないよ
本当に弱いのは
今ここから動けないこの僕だ

神様力を貸してください
でも僕に力を貸してくれるなら
その小さな力もあの子のために使ってください





土を信じて      10/5


はいつくばって地面に頭を擦りつけ
僕らは何を探すのだろう?


希望
明日すら
ドロばかりのココでは見つからない

赤茶けた土が僕を見上げる
汚れきった両手に
明日をつかむ事など無い

僕らが求めるものは皆
澄み渡る空に眠っているのか?
だから求めても届かないと
そう教えているのだろうか?

だけど僕らに翼はなく
土から生まれ
やがては土に還るのだから

僕らの明日は
この汚れきった地面にあると
信じてまた
僕らは土にはいつくばる





翼を持った少年  2001/10/06(土) 22:36:22 


翼を生やした少年は
己の翼の形ばかりを気にしてた

見渡せば誰もが翼を持っている
それでも
少年は自分の翼がいやだった

空は何も言わない


「だって皆と違うもん」

それが彼のいつもの言葉
緩くカーブをえがく羽根を
少年は嫌いだと
困った顔で空を見る

空は何も言わない


弱い小さな翼の羽根を
一本一本撫でつける

「なぜ僕だけ変なの?」

問いかけながら無理矢理に
若い羽根を力任せに

やがて力に負けた羽根は
一つ一つと抜け落ちる

絶望にわななく少年は
周りの視線に耐えられなくて空を見る

空は何も言わない


誰が変だといったのだろう?
思い込みで少年は翼を失った

何を気にすることがある?
誰かが何を言ったとしても

空は何も言わないのに


翼を持っていた少年
今は翼が無いただの青年

それが僕





苦しむ人へ        10/6


何があるのかわからない
そんな日々に君は一体何ができる?

あくせく生きるうちに
一日は終わりを向かえ夜は来る
今日という日に何ができた?

明日には何ができる?
何がしたい?
何のための日々なんだ?

そんな疑問符ばかりに追われてないかい?

追い詰められて困る前に
誰かに言葉で伝えてごらん?
「苦しいよ」
「どうしよう?」
「いやだよ」

伝える言葉はなんだっていい
そして
君はひとりじゃないって思えるはず
「気楽に」なんて言葉にすると
何でもない事を言うようだけど

大丈夫
苦しまなくっていいんだよ





戸惑いながら      10/7


戸惑いながら
悩みながら
僕らは道を進むという

うつむきながら
悲しみながら
それでも前へ

それがどんな意味を持つのか
行き始めた僕らにはまだ分からない
それでも

戸惑いながら
迷いながら
うつむきながら
悲しみながら
それでも前へ
遠くに見える光が喜びだと信じて





祈り       10/8


過ちを犯したとき人は
一体何に祈るだろう?
それは贖罪のため?
それとも一種の自己満足?

生きてく限り起こりうるいくつもの罪
その一つ一つに振り回されて
やがて疲れた僕たちは
自らの罪を祈る事で流すのか?
神へ?
仏へ?
大いなる力へ?

問いかけにも答えられない神々よ
身に降りかかる血すら流せぬ仏達よ
そして
見守るだけで手も貸さぬ大いなる力たちよ

祈りなどはいらない
犯した罪は己自身で償うのみ

それでも祈りが欲しいなら
あなたへ祈りを捧げれば良い
弱く
貧しく
それでも明日を生きていく
小さき存在
かけがえの無い自分自身へ






あなたを想って    10/9


会いたい時に会えるよう
小さな約束を作りました
あの時約束した場所へ
僕は一人で立っています

消え去る時はあっという間で
何の言葉すら残さずに
存在すら儚げで
誰もが泣きながらも忘れ去っていくのでしょう
あなたを
あなたの声を
あなたの姿を

あの時交わした小さな約束
しわがれた指に絡めた小さな指

思い出すほど悲しくて
考えるほど痛いから
今日ココに
あなたとの思いを埋めるつもりです

小さな小箱に
何もいれずに思いを詰めて
そっとあのときの約束を
土の中にしまいます

忘れるのではないんです
ただ
思い出さないだけなんです

そんな言い訳にあなたはきっと
笑って僕に言うのでしょう
おどけるほどに若く見え
笑い声が楽しげで
年をまるで感じなかった

あの時のように





羽根を持つ君へ    10/10


初めて翼を広げた時
君は何を夢見ていたろう?
穢れを知らぬ純白の羽根は
きっと
これから始まる日々のために輝いて
同じほど煌く君の瞳は
何もかもこの空にあると
そう思えていたんじゃ無いか?

時は経ち
理想の炎は揺れ弱り
やがて
君の翼に悲しみが宿る

それでも
初めて翼を広げた時の
あのときめきを忘れないでいて欲しい
きっと
翼は汚れ傷ついても
君の瞳はきっと
あの時のように煌くだろう





振り返るとき       2001/10/11(木) 13:36:21


歩いていた路の途中で
僕らは時々立ち止まり振り返っては
己の進んできた距離を懐かしく感じる

先へ進むのはいつも恐くて
見上げる日はいつも高くて
温かい言葉ほど耳に痛くて

僕らは道を振り返る
過ぎ去った昔を懐かしみ
喜びだけだったときに身を沈めたがる

けれど

何時だって僕らは恐れの中にいたのだから
明日を知らずにとらわれたままの羊だったのだから
振り返っても時は経つのだと分かっているのだから

またここから歩き出そう
今は恐れを押さえ込んで

先の道に喜びが生まれることを信じて




 
心の剣      10/11


君の心に氷の剣を刺したのは誰?
いてついた剣は暖かな君の心を凍らせた
そして君は笑えずに 怒れずに
そんな自分に気づかずにいる

君の心から
氷の剣を抜くのは誰?

君はもしかしたら
冷たすぎる剣に触れることさえためらって
凍りついた心そのままに
もうあきらめてしまっているかも知れない

だけど

凍てついた心を溶かし
君の笑顔を取り戻す
そんな人がどこかにいる

探せばいい
剣が抜けないと思う前に
周りを見渡し 剣の柄を見せればいい

きっと君の剣は抜けるはず
そして暖かな笑みで
君は新たな一歩を踏み出せる





傷ついた夜    10/12


腫れ物にでも触るように
僕の心に触れないで欲しい
哀れみと ほんの少しの蔑みと
そんな見せ掛けだけの友情なら
いっそ離れていて欲しい

人は一人じゃ生きられない
何気なく聞く簡単な真実
それはそう 当たり前
だけど時には一人だけ
膝を抱えて悩むだけ
そんなときも要るだろう?

腫れ物にでも触れるように
僕の心に触れないで欲しい

今の僕にもしも
君が必要だというのなら
それはきっと
僕の狂った心のままに
傷つけるためのはずだから






風船 飛ばした   2001/10/13(土) 22:48:19


君の側にいたいだけと
呟いた言葉で膨らました風船

指の隙から逃げて
この空風に消えて
追いかけても届かない
手を伸ばしても君はいない

そんな悲しい時を
過ごした事を恐れるあまり
膨らましすぎた想いの風船
いつか萎んでいた

過去の嘆きを今捨てよう
明日から始まる時抱き締めて
今はそばに入れる大事な人を
守りつづけると心に決めて

空に飛ばした
青い風船





大切なもの     10/13


大切なものがありますか?
今君に
何よりも大切なもの

それは物じゃなくても
けして形が無くても
大切なら大丈夫なんだけど

何もないって
首を振るような
そんな悲しい人でいないでほしい

見つけてみようよ
探してみようよ
君が大切にできるものを

大切ってのがあればあるほど
君の日々は輝くだろう

素晴らしい日々を送るために





堕ちる     10/14


見下ろしてた鉛色の空
堕ちて逝く 空の中に
私はここで 何もまとわぬ獣だから
欲望と嘲りに負け
混沌へと身を投げ捨てる

助けなどいらない
樹海で織られた嘆きのスカーフ
首に巻いては亡くなった頭を思い出す

ここはどこ?
暗闇の中
紅い場所
全ては正しく
そして間違う

見下していた鉛色の空
堕ちて逝く私
問いかけは地へ
滴り落ちる血とともに






空よあなたへ    10/15


両手を広げて
空へ祈りを捧げた
今日生きられた喜びと
明日も行きたい願いを込めて

何も手には持たないけれど

空よ
私はあなたの糧で
空よ
私はあなたに焦がれる
空よ
私はあなたの側にいて
空よ
私はあなたに我を捧げる

また明日が過ごせるように
今日という日を喜びで終えられるように





別れを悲しまないで   10/16




あなた
わたし
そして 人

僕らは出会い分かれるたびに
誰かから あなたから
大切な何かを受け取っていく

時に失いながらも
時に自ら捨てながらも
集めつづける見えない何か



あなた
わたし
そして 人

僕らが出会い分かれる意味は
きっと
受け取る事とあげることにあるんじゃないか
だから僕らはこれからも
出会い別れを繰り返す



あなた
わたし
そして 人

だからね
別れを悲しまなくっていいんだよ





過去の歌から   10/17


時を超えた力
過去から僕を引き寄せる
耳を澄ませば届くsoul
色あせぬ力を ここへ注いで

呼ぶのはPeace
全てのCase
これからのRace

誰もが行方を知らぬまま

過去からのMusic
僕らいつもfantasic
だからきっとこれからも

終わらないDreaming
いつも誰かがChallenging





悩みながら   2001/10/18(木) 00:05:03


知っていたはずの想い
知らないふりをしていつのまにかなくしてた

もう見つからない

初めから無かったふりして
いつの間にかふり向いている 道の途中で

あのときの想いどうすれば無くなる?
わからない
誰も答えない
道の途中 僕を残して





雨の中でそれは   10/18


雨の中で
何かが朽ちていく ゆっくりと

それは止められた時の残骸
いるはずなのにいないモノ

誰の目にも止まらない 
       気にされない
やがて
涙すら灰に変わって

朽ち落ちていく肉体は
死の匂いを漂わす

雨の中で
漂う闇の香
気づくのは
同じ宿命を背負う者?

それとも……君





天使の羽     10/19


天使の羽を見つけたんだ
淡く光った綺麗な羽根は
弱く脆く煌きながら
この世全ての偽りを
たった一振りで見えなくした

天使の羽 僕の宝

見えないものは見えないままで
汚い嘘も 便りげのない現実も
全ては羽根に触れられ霧散する

だけど僕はそこで一人
脆い羽を壊れぬようにそっと持ち
震えている 全てに恐れて

天使の羽 僕の宝
見えないものを見ないより
探しつづける勇気を僕に
そんな願いを天使の羽よ
どうか天へと運んでおくれ

僕はきっと弱くないはず……





あの時     2001/10/20(土) 02:54:41


駅に座り込んだ君が 僕を見る
濡れたまなざし
唇は言葉にならない吐息だけを吐き出して

触れそうになる右手必死に押しとどめて
わざとそっけない振りして背を向ける 僕

呟いたのはどちらだった?
四文字だけの別れの言葉
それだけで誰よりも重なり合った僕らは他人になれる

今振り返れば君はいる
きっと僕の手の中にまた戻る だけど

許せないのは君の過ち 僕の罪
繰り返せない時の中で迷いだけが僕の意識を浚っていく
ああ このまま時の流れに負け 世界に負け
すべてが僕をこの地表から引き剥がせばいいのに





君と僕と――傷つけた夜――   
       2001/10/20(土) 23:11:33


うつむいたまま君は肩をふるわせる
君を傷つけた僕は
君を傷つけた言葉がわからないまま凍りつく

「君を幸せにするには
僕の力は足りないのかい?」
問いかけたいと口を開いて
当り障りのない言葉だけが口を出る

無言で僕を見つめる目
閉じたままで開かぬ口
「何をそんなに怒っているの?
 何がそんなに悲しいの?」

問いかけたい気持ちで
口は動かない ただ時は動いて

願ってる 許される時
祈っている 今がなくなること

何もいえない
何もできない
そんな卑怯な僕に
君は笑う 少し弱い笑みで

ほら また君が好きになる
そして 僕は自分が嫌になる





必要?     10/20


傷つけられた気持ちを語れぬ君に
僕は何ができるだろう?

伸ばした手はあまりにも弱くて
紡いだ言葉はあまりにも淡くて

君は一人うつむいたまま
心を癒す 君だけの力で

僕はいらない?

凍りついたまま 青ざめたまま
消え去りたくて 側にいたくて
何もできずに 何ができるかわからずに

それでもたった一つ確かな事
側にいるよ
たとえ君が傷ついても
「あなたはいらない」
そう君が僕に伝えるまで

だって気持ちを言葉で伝えられるなら
きっと君は大丈夫

君が誰かを傷つけぬよう
僕が気持ちの盾になりたい
君に僕が必要だったと思えるように





磔の人    10/21


ねぇそこから何が見える?
ガラスみたいに透き通った目
世の中の汚いものも綺麗なものも
全てあなたの目を通り抜ける

あなたは全てを見て
そして全てを見ていない

あなたは全てを知ることができ
そしてそんな自分を拒否してる

敵に立ち向かうほど勇敢で
見えるものに背を向けるほど卑怯で
そんなあなたのその姿が
魅了する 私の時をただ止める

あなたは偶像
貼り付けられた神の贄





消える前に    10/22


君にあげるよ金色の羽根
僕の背にある小さな輝き
たった一つしかない羽根だけど

何ができるかわからないから
夢という名の輝きを君に
それで君が笑えるのなら
いつだって僕は全てをなくそう

そして僕は消えていく
君の笑みだけ心に納めて





力を僕に    10/23



目に 射られて
動けなくなるこの体
浮かんだ汗は鼓動の動きに拍車をかける

逃げ出したいと思いながら
必至に言葉を繰り出していく

それでも過ちは増えるばかり
一度して負ってしまった罪は
消せぬ変わりに増えるのみ

強さをください
せめて
逃げたいなどとは思わぬように





強き思い   10/24


香る風に夢を乗せて
どこまでも行く
どこまでも この想い果てるまで
まだ見えない明日のため

いつかその想いが枯れぬよう
そっと心に抱き締めて





喧嘩した後は    2001/10/25(木) 22:24:58


君に「許してくれ」と言えないままに
時間が過ぎていく
部屋に残った君の香りが僕を縛る
目を閉じれば側にいるのに
この部屋には僕一人 沈黙ばかりが重くなる

手に持つことさえ恐れた携帯が 短く鳴った
君からのmail
「怒ってないよ」の短い言葉

なんでだろう?
何でこんなに僕は弱くて
何でそんなに君は強いの?

せめて僕は言葉に出そう
君に言われるより前に
小さくまとめた熱い思いで

「君が好きだよ」「ずっといつまでも」

きっと君は一度頬を膨らまし
「卑怯ね」って笑うんだ





呪う時   10/25



重い体引きずるように
今がココから離れるように
僕の明日がなくなるように

呪う時

ほらだんだんと変わっていくね?
姿が? 瞳が?
混濁していく白かった希望
醜い事から逃げるたびに埋っていく絶望

笑い出したくなる時って
きっとこういう時なんだ
    
アハハ

ほら 綺麗な華が咲いたよ?

大切なものを手折るより優しく
どうか僕を土へ帰して





別れなんて   10/26


光る涙
何が君にできるだろう?
問いかけは風に運ばれ
香り始める金木犀の甘い香に
やがて別れはただのきっかけに過ぎないと
誤魔化されて
騙されて
何が大切かも分からないまま
一期一会を抱き締める

光る涙
こぼれた雫
あの時は戻らないはずなのに
分からない
何が一体できるのか
香り始めた甘い香に
騙されていく 当然なのだと

見えないものを見るように
嗅げない物を嗅ぐように
日々は続く やがて目覚めるその日のために

君はまだ
騙されたままでいるの?





側に……     10/28


君の側にいるよ
例え君が涙しても
その涙僕がふき取ってあげる

言葉は簡単に出てくるから
何よりも大切な事はいつだって
体でしか表せないね?

だから僕らは哀しみも喜びも
体あわせ心重ねて
伝わる事を願いながら
離れぬようによりそっている

君の側にいるよ
例え君が俯いても
その哀しみ僕が拭えるように





たとえ傷つけても   2001/10/29(月) 12:11:24


涙に濡れた僕の服を
そっと確かめるように触ったね?
押し付けたまま過ぎ去った時間
胸に感じる温もりに無力感だけ広がっていった

君に何ができるだろう?

どんな優しい言葉をかけても無駄で
いらだって言葉はよけいに君を傷つけた
優しさは力にはなりはしないって
痛すぎるほど分かった夜

あれからどれほど時間流れたろう?
泣き出した君にただ何もできずにうろたえる僕に
時だけはただいつものように流れていって
それでも
君が傍にいるってことを
なぜか喜ぶ僕がいる

僕が知らないところで涙されるよりきっと
今のほうが幸せだって
そう思えるようになったから





輝きを     10/29



手の中に生まれた希望の光
大切に大切に抱きしめて
いつの間にかその輝きを潰してしまうより
いっそ空へときらめかそう

胸から響く鼓動
大地から感じる力動

僕らは今生きていて
今というときの中でいつも
輝ける何かを握ってる

いつまで掴んだままでいるんだい?
掴んだままの夢握りつぶしてしまうより
動き出そう進んでいこう
新しい輝きを求めて





time 時     10/30


チクタク
チクタク

時が流れる
止まることなく
遅れることなく
僕らの年を死へと近づけ

チクタク
チクタク

時は流れる
声もなく
匂いも無く
色も無いまま幾億年を

今日拾ったあの貝殻が
色ずいていた日と同じように





秋    10/31


懐かしい香り
秋の匂い
通りすがりにふと見上げて
色好き始めたオレンジ色の輝きに微笑む

そんな清清しい一日

寒さの中
落ちそうになりながらも揺れる実達が
来年もまた
懐かしさとともに香を運ぶのだろう

時のたつ喜びと
ほんの少しの寂しさとともに

秋の実よ
来年もココで会おう