2002年 1月の作品たち

つま先立ちで通り過ぎた午後の夕立の後
                    楽静 2002/01/03(木) 18:38:03


求めていたものが手に入らなくて
僕は俯きながら歩いていた

くだらないって握りつぶしてしまった形の無い感情
見えないフリして通り過ぎた駅前の暴力
まとわりついてくる腐臭が
もしかしたら僕の大切なものを遠くへやってしまったのかもしれない

枯れてしまった道路脇の銀杏
のしかかるように眠り続ける浮浪者
いびきすら聞こえない町並

失った大きさよりも手に入れられない苦しさの方が
よっぽど人の心をかき回す

飲めもしないビールあおって
はにかんだ笑い浮かべた裏でだまされるものを笑った

始まりが終わりに繋がる定めならきっと
僕はもっと幸せだったはずなのに

だって

得られるものはないって初めから知っていたなら
求めはしなかったのだから





明日        1月5日


「愛なんてものは……」
言いかけて泣いた君に
何も言えないまま過ぎた 時

あれから僕らはまた傷ついて
それぞれの夢うち砕いて
それでも
それでも明日をと歩いてきたね

俯いたまままだ答え出せない君に
追いつけない今の僕に
流れるままに
流れるままに過ぎ行く日々に
今はただ
「ありがとう」

きっと
生きている限りいつかは
答えをしれる日が来るから




面白く     1月6日


つまらないって逃げていた
何もかもを放りだして
クールになってるつもりだった

何が足りない?
増えもしない満足感他人のせいにして
何が足りない?
ありもしない自信虚像の鏡でゆがまして
何が足りない?
失敗を許せずにあざけって
何が足りない?


胸に抱く希望
あふれ出した想いのかけら
これからは大切に

そう信じているから

面白い生き方をしよう