2002年 三月の作品たち

電球のことを嫌ってみた     
        楽静 2002/03/20(水) 20:05:00


電球が嫌い
切れかけの電球が嫌い

パチパチと何度もはぜて
点いたと思ったら消えていて
だけど完全に消えるってことがなくて
何度も買い換えるのを躊躇させる
そんな消えかけの電球が嫌い

もしも僕が電球なら
消えるときは一度きり
まばゆいほどの光を出して
そして一息に消えてしまいたい

だけど電球はいつもしぶとい
消えたと思ったら点いている
点いたと思ったら消えている

あ
今日は明るい
一度で点いたことのつい嬉しくなったら
「電球買い換えたから」
なんて言葉が耳に刺さって
消えかけていた電球は
ゴミ箱の中に消えている

切れかけた電球が嫌い
だけど
知らないうちに買い換えられる電球は
もっと嫌いだ





桜の木の下で    楽静 2002/03/22(金) 22:34:59


桜の花びらが一つ君の鼻に落ちた

指で払おうとする僕を
桜から遠ざかろうとする僕を

君は笑う
僕は睨む
桜は散る

そして僕はまた君に
大切なこと気づかされた





スキとキライ  楽静 2002/03/26(火) 23:16:15


傷ついたふりして眠り
やっと忘れたふりして今日を生きる
そんな君が好き

言葉の裏には違う感情
「嫌い」と言って抱きついてくる
そんな
いつも仮面をかぶった君が好き

君はいつも僕に
「好き」と言っては遠ざかる

僕はいつのまにか
君が信じられない僕になる

君が好き
だけどそんな自分が今は嫌い