2002年 五月の作品たち
LAST CONTACT 日付不明 これが最後 言いかけて君を見た 淡い色した風船が君から飛んでいって 君の笑顔から温もりが消えた いつも分かってる振りするんだね そんな君が好きでだけど嫌いだったよ 駅前に捨てられた犬見て君が言った「仕方ない」って言葉を 額面どおり受け取った僕の方が愚かなのかな 「仕方ない」って言う君の頬が 濡れていく 震えてる 僕はやっぱり愚か者だった 始まりの罪 日付不明 ただ一本の柱だけが 私たちを遮っていた 私とあなただけの世界 声だけ聞こえたあなた あなたは本当にいるの? 私は たった一人この地に残されているんじゃないの? 不安で体の中から緋の紐が体中を縛り付ける 私はあなたに会うために生まれたのだろう けれどあなたは私が無くても生きるだろう 頭の中にうじのように沸いた暗い答え 柱を巡るあなたの姿は光で見えない 私は叫んでいた あなたは叫んだ そして私たちは罪を犯した 大海に流れ落ちる一滴の血 ゆっくりと紅は水に溶けて罪の色を見えなくする けれど私の中に宿る命は 泣くことも動くことも無く生まれた命はなんだ これはなんだ? 私はなんだ? 神は言う これは私の罪なのだと 私が口を開いた罪 罪は流さなくてはいけないのだと ああ流れていく私の罪私の子 思うことも出来ず思われることも無く流されていく命無き肢体 そして私たちはまぐわう 罪が増えていく そして生まれる命―― 私がいなくなるために 五行詩――繋がり―― 2002年5月25日 君と僕 二人並んで 繋いだ手 小指の先の 暖かさ 五行詩―― 愛 ―― 2002年5月25日 あいたい時に いっしょにいれる しずかで てれた君がい る。 |