2003年 七月の作品たち
友   2003年7月18日


日が落ちた公園
何日ぶりかにあったお前と
何気ない日常の
届かない未来の話し

夢を語ってくれたね
缶ビール片手に悩んだ顔を俯かせて
ありもしない現実と
報われないから輝き続ける夢と
かすれたしゃべり方は変わらないけど
時々感傷的になるお前を見て
隣りに煙草をくゆらせている俺は酷くちっぽけだった

どうかお前が死にませんように
突然頭に浮かんだ小さな祈りを星もない夜に願う
どうしようもない醜い部分も見せられるお前が
どうかその醜さに埋もれて死なないように

話すたびに俺たちは
過去に戻るのではなく
未来を渇望しているのだと思えた夜

夜空に響いた花火の音に
また一つ俺は友のありがたさを知った





伝えたい君への言葉  2003年7月22日


僕らが出会ったのはきっと必然だったのだろう
微笑んでくれた優しさが何もない僕を変えた

君に伝えたいこと言えないで悩む僕に
「簡単だよ」って
きっと君は誰よりも強い

繋いだ手離れないように
強く強く願いが包む
二人の一歩ともに踏み出そう
言えない想いをめいいっぱいこめて
君がいてくれる幸せに「ありがとう」





自己研磨の決意  2003年7月30日


恋をしていたいって
願っているうちに始まりの季節は流れていくね
街角で見かける恋愛ドラマに知らんぷりして
強がっている
無理した背中がいつの間にか丸めちゃって

ありきたりだけど
誰よりも好きな人が欲しくて
ありきたりだけど
誰よりも好きでいてくれる人が欲しいと思う

だけど
そんなありきたりを願う僕には資格がないから
情けないけど
僕は僕自身を磨こうと思うのです





現鏡(うつつかがみ)  2003年7月30日

自分自身が何より嫌いで
研いでいた
冷たい刃を
いつか喉元に突き刺そうと
心に秘めた黒い闇は
黒く黒く闇に染まって

そうして眺めた鏡の僕は
世界中の誰より醜い気がした。

今――
僕の部屋に鏡はない