2004年 二月の作品たち

両腕への祈り 2004年2月2日

抱きしめた腕よ
どうかこのまま石になれ

この一瞬を永遠にして
2人の離れぬ理由になるよう
寂しそうに背に振るかわりに
温もりだけを感じるままに

背に巻き付いた両腕よ
どうかこのまま石になれ





空を見るたび  2004年2月3日

晴れた空が好きなのは
見上げた青を
きっと君も見つめているから
離れることが多い二人だけど
この青を見れば繋がれる
繋がっている
そう思うことが出来るから

だけど今日は曇り空
僕にはいけない君の所へ
雲はたやすく流れてしまう
冷たく地面を吹く風は
君にくしゃみをさせるかも

だから僕は
曇りがあまり好きではないのです





言えずの詞「I love you」 
               2004年2月6日

君にだけ
言い続けたい言葉がある
君にだけしか
言いたくない言葉がある
だけど口に出したなら
君は照れて俯くだろうから
今は言わない
大事に胸に暖めとくよ

君にだけ
言って欲しい言葉がある
君にだけしか
言われたくない言葉がある
だけど口に出したなら
君は優しく何度も囁くだろうから
今は言わない
照れずに受け止められるまで

そんな秘密の言葉を
君に会う度心の中で
いつも繰り返している





レース ウィズ you 2004年2月8日

競い合って
勝ち負けレースに飛び込んで
僕らは恋も磨きあう

僕より君は僕を想っていて
君より僕は君を想っている

終わることのない明日へのレース
今度はなにで君に勝とう?
眠る前に考えてたら嬉しくなった
きっと
幸せ気分の勝負では
僕は勝ち続けるだろう





翼が欲しくて  2004年2月13日

君に何かある度に
僕は翼が欲しくなる

それは時には指への小さな火傷
あるいは軽いせき込む声
もしかすると「痛い」なんて一言だけでも

直ぐにでも君の側へ
飛べる翼が欲しくなる

そんな僕を
見透かしたように君が答える「大丈夫」は
人でしかない僕にはとても暖かいけど
背中に生えない白さを思って
僕は隠れて溜息をつくんだ





海に呼ばれて  2004年2月14日

闇の中で海がゆっくりと呼吸する
鼓動をあわせるかのように
潮の匂いを胸に入れ
恋人達は肩を寄せ合う

おぼろげに月照らす空に
今日は星が見えない
取り囲む闇
そのまま飲まれるかのように
ぽかんと口を開けた海の呼吸に
恋人達は手を繋ぎ合う

白い息が闇へと吸い込まれていく
大きく闇が吐いた息は
体中の体温を奪っていく
そして操られるかのように

恋人達は
互いの眼に吸い寄せられる





一緒に歩いていこう  2004年2月15日

歩き出そう?
手を繋いで

道は堅いアスファルトで
時には車も通るけれど
危なければ止まればいいし
どちらかよそ見をしているときは
繋いだ手が危険を防いでくれる

だから

歩き出そう?
手を繋いで

先は長くて
時に不安で
曇りや雨で
たまに天気で
落ち込んで
嫌になって
泣いて
怒って

でも
繋いだ手
その先に想いがあるから

歩き出そう?
手を繋いで





闇から降る雨の下で  2004年2月18日

駅へと向かう途中の突然の雨に
濡れた君のあでやかさ
艶やかな髪に触れた手で
そっと頬を触る
雨音まで一瞬遠くに感じて
寄り添う君の呼吸だけが鼓動を早める

君の手がそっと僕の手を取る
「寒い?」って聞く君の手の方が
いつだって冷たくて

愛しさに抱き寄せたなら

帰りの電車の時刻
やけに近く感じた





だけど太陽があるから 2004年2月20日

なんにもない毎日ばかりが続いて
なんでもないことで傷ついて
なにもない自分に嫌気指したら

広げた手の先に太陽を掴もう

地上を何処までも照らす不滅の陽を
我らの祖先が汗を拭き見上げた炎の固まりを
時に隠れ闇が地上を覆うとも
必ず蘇るよう照らし出すあの陽を

今広げた手の先に太陽を掴もう
赤々と燃えるように手の甲が見えたなら

大丈夫

なにもしなくても
なにもできなくても
君は大いなる命に守られている





青き空の詞  2004年2月23日

青い空降りそそぐ光
朝の優しさに今抱かれてる

鳥が
子供が
音達が

唄い
遊び
跳ねていく

すべてが笑って空を見上げる
吸い込まれる青
世界中の誰もを包んで

空は今
詞を奏でている





祈り  2004年2月27日

ただ隣りにいて下さい
そして微笑んでいて下さい

それだけで強さが溢れてくるのです
それだけで優しくなれる気がするのです
哀しさを忘れてしまうのです
寂しいなんて言葉がいらなくなるのです

理由なんていくら言葉に出しても
想いにはとても届かないけど
何度でも繰り返すよだから

ただ隣にいて下さい
そして微笑んでいて下さい