2004年 三月の作品たち

臆病者の懸想歌   2004年3月2日

君に会えない辛さを一体
なにに例えればいいのだろう
雨続きの週末
独りぼっちの結末
決して孤独というわけじゃないのに
胸の中寂しさが染み込んでくる

君がいる夢を何度となく見て
起きるたび溜息をついた
君に話したいことが
いつの間にか溜まって行く
早くしないと忘れそうだよ

会いたくて
会えなくて
だからこそ祈ることは

僕が覚える胸の痛みを
どうか君は感じずにいられますように





繰り返す「卒業」の中で  2004年3月3日

これが別れなんだと
言い聞かせられずに校舎を眺めていた
仲のいい連中とのくだらない話し
昼休みの終わり告げる聞き慣れたチャイム

すべて終わりと手放せないで
何度も振り返ってばかりいる
新しく涙し
校舎出る者を目で追って
そして私は
後何度この光景に耐えられるのだろう?





お喋りの理由  2004年3月14日

思いを言葉に代えて繰り返しても
いつまでたっても足りる気がしないね
日に日に君への気持ちは増えていくのに
伝える言葉が少なすぎて
心が耐えられなくなってくる

だから抱きしめて
そっとそのままで
言葉もなく
この腕で息で
心が伝わればいいなって思うのだけど

無言の時に
私の鼓動は余計に早くなるから
君が何か言わないうちに
私はまた
ありふれた言葉で想いを伝えようとするのです