2004年 七月の作品たち
君がいること2004年7月3日


どんなに辛いときでも
君がいる
ただそれだけで強くなる

どんなに哀しいときでも
君がいる
ただそれだけで涙が止まる

どんなに寂しいときでも
君がいる
ただそれだけで笑顔になる

だから今の僕にとって
辛くて
哀しくて
寂しいとき

それは
君がいないとき





僕だけの睡眠薬  2004年7月4日


眠れない夜
額を流れる汗に落ちてきた瞼開いている
見上げた天井の染み見つめるたびに
嫌な考えばかりが広がって
闇の中の物音に
見知らぬ生き物の
息遣いを感じている

そんな
体中を縛り付ける
不安

君が来る
君が隣りに寝ころんでくる
たったそれだけで
不思議にまどろんでいる
君の静かな寝姿が
楽しい考えばかり生まれさせる
君の眠る息の音が
部屋中を満たして
そして僕は
安心して眠りに落ちる

どんな薬にも負けはしない
僕だけの
睡眠薬だね





夢を抱いたまま歩む道は 2004年7月6日


どんなに暗い道でも
抱えた夢が輝くから
見失わずに住むんだろう

歩くたび夢の重さに足痛んでも
暗闇で立ちすくむ
その怖さ知っている僕たちは
一歩一歩前に進み続ける

夢を抱えたまま歩き続けたその先は
暗く長い道がどこまでも続いている

抱える夢ばかりが大きくなって
輝きはだんだんと小さくなって
立ち止まることをただ恐れて
進んでいる

ああいつか
この夢を手放しさえすればなんて
思うのだろうか?

暗闇に目を凝らしながら
手に食い込む夢の重さよりも
未来の自分の絶望を感じ

僕は
ただ怯える日々を過ごしている





喜び不安感  2004年7月14日


不安になりやすい君が
どんな人より愛しくて
服の袖掴んで俯いた姿を
思い切り抱きしめたくなる

愛すれば愛するほど
僕らは不安に苦しむね

君と一緒にいる一瞬一瞬が
時が経つほど早くなる
離れている時間を長くなる
触れていないと駄目になる

まるで中毒患者のように
僕は君に追いすがる
君が僕を求めるたびに
求められる喜びと
求められなくなる不安に責められる

これからもっと君にはまったら
僕は一体どうなるんだろう?
ふとした疑問に不安感じながら
楽しみを覚える僕がここにいる





夢 遊園地  2004年7月15日


不思議だね?
夢ばかりが集まる遊園地
溢れる人の中で君しか見えない

君が笑顔見せるたび
現実感が遠のいていく
箱庭のような世界なのに
今の僕らにはここが永遠で
歩けば直ぐ見えてくる駅すらも
二人の頭の中から消える

夜空に花火が打ち上がり
綺麗な景色なのに君が寂しそうになる
夢から覚めるのを恐れるように
そっと僕の手を握る君を
力いっぱい抱きしめる

夢ばかりの遊園地
だけど信じて
君と僕は現実だから





寝ぼすけの君へのいたずら  
              2004年7月16日


目が覚めると君がいて
一瞬
夢ではないかと疑ってみたりする

君の頬を
ゆっくり
ゆっくりつねっていく

痛そうに寝返りを打つ君
僕は静かにほっとして
そうして君の寝顔に謝ったりする

平和な休日の
ちょっとしたいたずら





花火を見上げて  2004年7月18日


地上を埋め尽くす人々は
夜空に浮かぶ花達に溜息をもらす
闇の中に一瞬開く夏の華
誰に聞こえるかも分からずに
歓声と拍手が空に響いていく

隣で君が嬉しそうに笑っている
僕にはそれが花火より
美しい物に見えるのだけど

どうせ言っても
君は照れて力いっぱい否定するから
僕はあくまで夜空を見上げ
時々
君を盗み見る

「夜空の華に照らされて
 天使のように輝く横顔」

頭の中で作った誉め言葉は
さすがにクサすぎるなと小さく笑った





似ている君へ  2004年7月19日


君が僕を好きなこと
そんなこと
分かりすぎるくらい分かっているつもりで
それでも君は少し不満な顔で
「わかってないよ」と唇をとがらす

それはきっと君も同じなんだよ

僕が君を好きなこと
そんなこと
当たり前すぎるくらい当たり前で
それでも君は少し泣きそうな顔で
「そんなことないよ」と胸に顔を埋める

それはきっと僕も同じなんだね

似たもの同士の僕たちは
似たもの同士の不安におぼれ
そして
似たもの同士の愛に飲まれる





夏曜日  2004年7月20日


騒がしい声が響く
喧噪の中で
何度目かの夏を感じる

今年は酷暑だとテレビが伝える
不吉に生える日傘の黒
肌を見せて歩く人々
眩しそうに目を細めて
沸いてきた汗をそっと抑えて
なぜそんなみんな辛そうに道を歩くのだろう?

太陽が燃えれば燃えるほど
体の中の血管は
熱く思いを体に巡らす
眩しさに両手を差し出せば
面白いほど
透き通っていく命の体

また
夏が来る
僕は日々蘇っていく





命令  2004年7月26日


君が横にいること
それだけで僕の血が熱くなる
君が笑う
何でもない一言が僕を一喜一憂させる
君が怒れば
世界が途端に色を失い
君が悲しみ
それは僕の血を凍らせてしまう

難しいことは何も言うつもりはないし
難しいって君に感じさせるつもりはない

ただ単に
僕はこれからも君を想い続ける
愛し続ける
側に居続ける
君はそれを信じればいい

信じられない?
だったらいつまでも
僕を側に置いておけばいい





悩んでる誰かへ  2004年7月27日


毎日悩んでる?
わりに大したこと無いだろう?
つまり当然
悪いように考えたって意味がない

一歩ずつ
一歩ずつ
進むしかないこの道だから
焦らずに 
進んで行こう
君とならきっとどこまでもいけるから

楽しいばかりが人生?
きっとそうじゃない
辛いことも
哀しいことも
一面転がりまくりだけど

楽しいばかりが人生だ
きっとそれでいい
手を繋ぎ
夢繋ぎ
一面転がりまくりましょう

毎日怒ってる
わりに対した理由じゃないだろう?
つまり全然
悪いことばかりじゃしょうがない
一歩ずつ一歩ずつ
前に歩く道だから
前向きに進んでいこう
君とならきっとどこまでも行けるから





孤独な誰かへ  2004年7月27日


ねぇ 怯えないで
ねぇ 怖がらないで
ねぇ 一人だと思いこまないで
君は決してヒトリボッチじゃない
僕がいつも側にいるでしょう?

もしも 涙がこぼれたら
その滴でのどを潤せばいい
辛いことがあってもきっと
二人なら乗り越えられる

一人で苦しまないで
僕の手に
そっと
その手を合わせて





一期一会を恐れる誰かへ  
           2004年7月28日


いくつもの出会い重ね
それぞれの道を歩み続け
一人きりを噛みしめながら
また出会い繰り返す

これが何度目の
分かれ道になるだろう?
その道の先でまたあなたに
会えればいいのに

いつまでも忘れることはない
あなたと過ごした輝く日々を
この胸の中に輝くあなたを
そっと両手で抱きしめる

いくつもの別れ重ね
何度となく出会いやり直し
後悔ばかり噛みしめながら
また別れ繰り返す

これで何度目の
見知らぬ出会いだろう?
いつか優しい誰かに
会えればいいのに

いつまでも忘れることはない
あなたへと歌うこの歌を
心つなげて永久の誓いを
そっと両手で抱きしめる





成れ 慣れ 鳴れ  2004年7月29日


ちょっとしたことで人はきっと
不幸にも幸せにもなれるんだろう?
例えばほら
今も携帯が鳴らないってだけで

幸せになりたいって
不幸になりたくないって
みんな当然思うのだけど
世界中の人が幸せに……
そんな文句
あり得ないって理解もしてる

だから自分が一番不幸で
絶対絶対不幸に違いないって
例えばほら
今も携帯が鳴らないってだけで
思ってしまうかもしれないけど

だけど思い出して
ちょっとしたことで人はきっと
不幸にも幸せにも慣れるだろう?
もしかしたら君のいる不幸は
慣れすぎた幸せのせいかもしれない

だって
誰かを想えるから
思われないことが寂しいんだろう?
誰かを想える喜びを
ゆっくり噛みしめてみたら
ほら
鳴らない携帯を君が自分で
鳴らしてみたく鳴るんじゃない?

そんなちょっとしたことで
きっと誰かが幸せになる
もしかしたら不幸にもなるかも知れないけれど
大丈夫
ちょっとしたことでまた
僕らは幸せに気づけるんだ
例えばほら

思い続けるあの子から
電話がかかってくる
それだけで