2004年 12月の作品たち

そのままで 2004年12月8日

それでいいよ
今のままで
君のままで

笑われたって気にするなよ
怒られたって
貶されたって
疎まれたって
君は君だろう
いくら君が君を嫌っても
君は今までも
これからも
君でしかないんだから

だけど
君は誰でもない君で
それだけで
世界でたった一人の君なんだから

それでいいよ
今のままで
君のままで





もう一人の誰かに  2004年12月13日

空っぽだった心に灯が燈るのは
温もり分けてくれる人が傍にいるから
凍えていく大地に負けず歩けるのは
小さな手をそこに感じられるから

いくら否定しても
たった一人では生きられない
傍にいる誰かの温もりが
いつも君を暖め続ける

だから凍えそうな時は
両手さし伸ばしてみればいい
きっと誰かがその両手を
許されるならこの僕が
君を震えから救って見せるだろう





届かない思い出  2004年12月14日

振りかえればそこにいるように
去年のネオンが蘇る
吹き付ける風に負けないくらい
暖かかった君の体温

何度も心の中繰り返してた
言葉は君の目見るたび固まって
やっと口から出たのは
意気地の無い一言で
僕が自分を嫌うよりも早く
君が思いを口にしてくれた

ふと見ればそこに去年の僕がいるようで
届かないのに手をさし伸ばしている
君と会ったあの奇跡は今も輝くから
せめてあの日の僕から
君へ思いを伝えたくて





ファイト  2004年12月20日

考えないようにすればするほど人生っていうのは
難しく絡まっていく解けそうも無いほどに
大変だ大変だって繰り返すたびに
人生は辛くなっていくあっと言う間に

何かしたい事があるのかい?

そのお手伝いをさせてくれるのかい?

君がゆっくりと頷いたなら
僕はどんな事でもしてあげよう
難しい煮詰まりすぎたこの旅路だから
焦っちゃ駄目さ
止まっちゃ駄目さ
のんびり行こう
笑顔でいればきっと
いつか解けるから





檻の中の人形  2004年12月21日


閉じ込められた人形が言葉無く泣いてる
閉じ込めたのは一人の男人形を愛する人
物も言わず動きもしない彼女なのに
自分以外の誰とも会わせたくなくて

男は彼女を閉じ込める
人形は流せぬ涙流しつづける
「愛しているのはあなただけ」伝えられなくて

偽りに迷わされ鍵をかけた男
愛する人に責められても人形は口を開けない
何も言わないから
どこも行かないから
ただあなたの傍にそれだけ思うのに
閉じ込められて
縛り付けられて
声も無い人形に今は光も無い

時に男は人形を忘れ
縛りつけた事さえ闇に眠らす
闇の中で彼を見ている人形
見えない背中聞こえない声思い浮かべている
ただ会いたい
ただ聞きたい
あなただけを
想い続け歌い続け人形は今日も寝ない
男は気づかない
誰も気づかない

人形は今日も声無く歌っているだろう
暗い闇の中で
男を想いながら





待ちながら  2004年12月22日

ゆっくりと時がたっていく
闇の中に針の音が響く
冷たい風が布団の上を這い
静かに夜は歩み続ける

もうじき朝かな?
まどろみながら
鳴るはずのない音を待ち焦がれている
眠気と共に襲う不安が
1秒ごとに胸を突き刺す

分かっているのに
頭では分かっているのに
寝てしまえばきっと楽なのに
小さな希望を捨てられなくて
鳴るはずのない音に耳を済ませる

きっと
そんな気持ちも知らず
夢の中にいるんだろう?
責めるように問いかけてため息ついた
それでもなお愛しくて

ゆっくりと時がたっていく
眠れずに時計を見てる