2005年 1月の作品たち

ほんの少し  2005年1月1日

ほんの少しの言葉で
幸せになったり
ほんの少しの言葉で
不幸だと嘆いたり

ほんの少しの優しさで
夢心地になったり
ほんの少しの意地悪で
夢の中でも泣いたり

ほんの少し
たった少し
それだけのことで
僕達の生き方は影響を受けている

例えば降り積もる雪をただおふざけに
なんの気もなくぶつけられただけで
僕達は寂しくて逃げ出したくなるだろう

ほんの少し
たった少し
それだけのことが
本当に人生を作り上げているから

ほんの少し
たった少し
それだけでいいんだから
優しくなろう
暖かくなろう
それで救われるから

ほんの少しの言葉で泣かせてしまうくらいなら
同じだけの言葉で笑わせたいだろう?





叫  2005年1月2日

叫んだんだ
何度も叫んだんだ
君だけを
君だけが
叫んだんだ

そのたび心が傷ついて
それでも言葉止められなくて

気がついたら
寂しさだけが胸にあって
僕はその寂しさも癒せなくて

途方に暮れた
どうしたら僕が
君が
救われるのか
本当に
本当に
分からなくて

だから叫んでよ
大声で叫んでよ
君の弱さ
醜さ
すべて愛しいから

声にならない叫びでも
いいよ
全部受け止めるから





鏡の私  2005年1月20日

あなたの瞳に写っている
私がどんな姿かと
不安になって鏡を見た
見慣れた私があなたの瞳で
どれほど変わるか予想もつかず
結局私は鏡を置いて
ため息をつく

だけど
実はちょっと嬉しくて
だから私の口元は
鏡を見ずにも分かるほど
いつのまにかにやけている





青い卵  2005年1月20日

青い卵
夢をこめた卵
いつか孵る時を想い
ゆれている
ゆれている
君の手の中で
ゆっくりと
ゆっくりと
時を待つ

そんな君の肩を
誰よりも優しく暖めよう
世界でただ一人僕だけが

夢を生む卵
青い卵
空色にゆれる明日を抱いた
君を抱こう
ゆらり
ゆらりと――