2005年 三月の作品たち

悲しみ時の君色思い  2005年3月4日

悲しいことがあった
空がやけに暗く見えた
通る人の視線が冷たかった
一人を強く感じたそんなときに
ただ
君を強く感じたい

だけど体は離れていて
心飛ばすばかりで
視線さえ会わなくて
悲しくて
余計一人を感じて

でも
携帯から届いた君の声に
ちょっと
僕は照れて笑ったんだ





心  2005年3月4日

君の心をつかんでいたい
いつまでも
いつもでも
決して離さずに
言葉よりも心で繋ぎ止めたい
「君は僕だけのもの」
そう空に叫んだその声が
そのまま君を縛ればいいのに





スランプな夜  2005年3月6日

言葉がなくなっていく
心の中が空っぽになる
白紙を恐れ
書き込むことに吐き気を覚える
意味のない毎日が多すぎて
いつの間にか
書く意味さえ見失ってく

戸惑いをください
嘆きを
しびれるほどの情熱を

なんて叫ぶほどにむなしくて
自分自身を笑うたび
また私は私の影を見つけて歩き出す





背もたれ  2005年3月20日

一人では
何もできなくて
何もできないから
君に寄りかかっていたのかな
始まることが怖いわけじゃないのに
はじめられず
君の肩を抱いていた
「それでいいよ」
君の目が僕を優しく見つめ
僕は僕自身のちっぽけさを見つめなおし
また少し
ほんの少し
二人になっていく





別離  2005年3月22日

電話の向こう君の声
なんでもない会話であふれる
ふとした沈黙
重たい空気
息が止まるような気がした

君が告げた
小さく
でも確かに
「つかれる」って一言で
たった一言で
君のそれまでがにじんでいく

正直な心が
君を何度も傷つけてしまう
いつの間にか耐えられなくて
君は僕じゃなく辛さ抱きしめていたの?

愛を告げることしかできない
弱い僕に君が告げた
小さいでも確かな「さよなら」
痛みだけが胸を刻んでいく

たった一人だった僕を
救ってくれた君だったから
たった一人だって今は思いしらされるよ
泣かずに告げた言葉は
冷たく見えてだけど必死すぎて
何も言えなくて
今もただ
君を誰よりも思い続けるだけ





早すぎる忠告  2005年3月27日

恋にあこがれる声を聞いた
一人でいることが寂しすぎると
冷たさに両手こすり合わせて
温もりを探している

恋に焦がれる人よ
僕の話を聞いてくれ
焦がれるほどに輝いたとて
恋は優しいだけじゃない
苦しみも
悲しみも
涙も
怒りも
一緒にそこにはあるんだ

もしも
そんな覚悟がないのなら
今は隣にいる友の温もりで
君の手を温めればいい





眠る君へ  2005年3月27日

君が僕を思う力が
僕の背中に翼を生やす
君が僕へとくれる言葉が
僕の体に勇気をくれる
そうして君が
僕へと微笑むたびに
空を飛ぶ
目指すものはひとつ
輝き続けている君との明日

なんて
大真面目で君に言える時を夢見て
僕は君の寝姿に微笑する