2005年 四月の作品たち

君がくれるもの  2005年4月4日

始まることを恐れていては何も変わらないね
分かっているはずなのに不安に負けそうになる
晴れた日ばかりじゃないから
濡れることが嫌で外へ出ることさえままならない

そんな僕の手を君がいつだって胸へと引き寄せる
やわらかい鼓動を感じて
僕はまた一歩前へと進む勇気をもらう
当たり前のことだって君は笑うかもしれないけど

その当たり前が僕の宝物
なんて言葉はあまりにも照れくさいけど
いつも胸で繰り返している





いいね  2005年4月9日

涙を流すかわりに笑えたらいいね
文句を言うかわりに笑えたらいいね
独りだって
みんなでだって
笑えたらいいね
大声であははって
小声でうふふって
そりゃ時々笑えないこともあるけれど
どんな時も明るく楽しく
いられればいいね
そう
「いいね」が多いといいのにな





友だと信じたい友情歌  2005年4月10日

言葉にすればそれは
とても短い言葉だけれど
言えないでいる
「そばにいて」
そんな一言が

恋人だったら楽なのに
愛し合ってれば側にいてくれる
友達だって確かめられたらいいのに
あまりにもいまさら過ぎて
簡単な言葉が照れくさくなる

言葉に出来ればそれは
きっと短い言葉だけれど
聞けないでいる
「そばにいていい?」
そんな一言が

いつか言うから
きっと感じられるから
これからもきっと今までのように
俺やお前で通じる友達でいて

そんな思いを胸に抱いたまま
言えない言葉を抱いて
今日も
何気ない会話を繰り返している





愛についての考察   2005年4月15日


誰だって
愛されたいと思っていて
誰だって
愛したいって思っている

愛はきっと映画でも
ドラマでもましてや小説でもなく
きっと僕らのそばにある
そう信じてる
そう信じたい

だから今日も
「愛」の言葉をこねくりまわし
詩人は歌い
作家は物語り
画家は描き
そして僕らは
見知らぬ果実を探し続ける





他人事の傷 2005年4月25日

誰もが傷を持っている
角にぶつけた小指のような
深爪しすぎた指のような
刺された胸の痛みのような
それぞれの傷
それぞれの痛み
だから誰も他人の傷に知らんぷり
自分の傷だけなめている

肘のかさぶた気にするあまり
回りまわってる同じところを
自分のことで精一杯で
今日も周りを見渡せない

自分の傷が大事だから
今日もかさぶたを触っている
おっかなびっくりはがしている