2005年 五月の作品たち

ヒトリ  2005年5月4日

見知らぬ顔ばかりが駅前には溢れている
信号待ちの数分間
突然襲われた孤独感に立ち尽くす
誰にも伝わるはずがない不安
表情を消した人の群れが私の世界を圧迫する
誰に助けを求めることもできずに
待ち望む
ただ少しでも早くこの場所から逃げられる時を

多分誰もが一人で不安を抱えて
知らん顔をして生きている
目をあわすことを恐れたような人の群れの中
僕もいつの間にか
アスファルトを見ながら歩き出す
「横断歩道から外れないように」
なんて
自分にすら通用しない言い訳をしながら





キミノコエ  2005年5月10日

あらかじめ計算しても、空回りばかりで
いつの間にか大事なことをなくしてしまう

何ができるとか何ができないとか
わからないまま進む この人生は

もしも生きるのがつらく
あまりにもかなしくなったなら
そのときはどうかこの世界で
君の声を聞かせておくれよ
君の声だけが僕を
たった一瞬で救うことが出来るから





君が帰った部屋の中  2005年05月14日

君がくれた思い出を抱きしめている
そばに居たときのぬくもりには足りないけれど
風の冷たさを痛みに感じる
この胸の記憶だけは確かだから
せめて今は少しでも長く君を感じていられるよう
君のくれた思い出を抱きしめている






宇宙で一番  2005年5月18日

どれくらい好き?って君が聞くから
照れながら答えたけれど
それぐらいなの?って君が言うから
その拗ねたような表情に
思いは宇宙へと舞い上がった

好きって気持ちは
隙間無く体中に溢れているから
透きとおっていく心の中を
すきなだけ君は見れば良い

言葉遊びじゃないけれど
好きを繰り替えしても満足しない君のため
何度だって繰り返す
僕が君を好きな理由を

人が人を好きになること
やっと理解出来たような気がする
君に出会えたことそれが
人生で一番の宝物だよ





ヌクモリ  2005年5月22日

どれだけ言葉をかけても
きっと
傍に居る温かさにはかなわない
電話ごしに伝える100の「愛している」より
無言で抱きしめる事が力になる

そんなこと誰だって分かってる

人は温もりを求めるから
温もりは言葉だけじゃ伝わらないから
手紙ごしにも届かないから
ただ隣に居るだけで
無言で座ってくれるだけで
救われる
暖められる

そんなこと誰だって分かってる

だけど会いに行けない君のため
今は言葉を紡ぐ事しか出きなくて
だから少しでも君の心を救えるように
僕は君への言葉を捜している





寂しがり屋の君に  2005年5月26日

君の寂しげな声が
痛いほど胸に響く
君を寂しくさせている僕を
許してくれる君が愛しい

言葉にするのは簡単だけど
愛は伝わり難い物だから
寂しさも不安も一緒になるね
一人の時ほど辛くなるよね

だけど君は一人じゃないよ
僕の寂しさも見せるから
そうすればきっと心の隙間も
半分になるよね
そう信じている

寂しがり屋の君のために
歌を歌おうと思ったけれど
一つも言葉が浮かばなくて
僕はただ途方に暮れてた