2005年 七月の作品たち

願うだけが  2005年7月15日

必ずと言っていいほど人生は
繰り返されている何時の間にか
同じような日々に戸惑いながら
同じような言葉を並べていく

確実なものは一つもどこにも無いのに
あるような気がして捜し求める
世界なんて変わりもしないのに
変えられる気がして飛びまわってる

悲しいけれど当たり前なのは
私が私でここにいること
悲しいけれど当たり前なのは
私が一人私であること

だから願う
だからこそ祈る
どうか誰もが悲しまない事を

絶望ばかり繰り返されるこの世界で
願いが叶わないのも知りながら
だけど祈る
祈っている





もう言葉なんていらない  2005年7月16日

愛しているって言葉さえも
虚ろに響くのなら
抱きしめるよ君を強く
言葉はいらない

好きだって何度繰り返しても
虚しいだけって気づいているなら
抱きしめてよ僕を強く
言葉はいらない

人は言葉で生かされるけど
大事な時に限って
いつも言葉じゃ足りないから

震えているその手を擦り合わせて
小さな指先を一つづつ開いていこう
ゆっくりと近付いたなら
その場で強く抱きしめればいい
もしも勇気が足りないときは
ただ傍で座っていればいいよ
もう言葉はいらない





夢を諦めないで   2005年7月20日

どんな苦しくても
夢を諦めないで
あなたの夢は例え小さくても
誰かを救うはずだから

小さい時に描いていた夢
回りの景色が変わるように色褪せていったね
誰かの為とはっきり思っていたわけじゃ無いけど
当たり前のように僕以外思っていた

救えるとか
救いたいとか
本当は堂々と言えないけど照れくさいけど
誰もが笑っていて欲しい

きっとあなたの夢は一人では叶わない
夢を叶えて行くまでに
喜びも
涙も
溢れるから
だけど

どんな苦しくても
夢を諦めないで
あなたの夢が叶うまでに
きっと救いさえもまかれるから
その種を誰かが拾えるから
僕らは一人じゃないから





思いの花が咲くとき  2005年7月24日

あなたが誰かを想うとき
ただそれだけで嬉しいとき
きっとそれが恋の始まりなんだよ
新しい種が一つ
心の中で芽吹いたら
枯れないよう想いを注いで
きっと綺麗な花をさかすよ

例え想いが届かなくとも
あなたの咲かせた花はたしかに胸にあるから
自分を小さく思いすぎたら
きっと花も小さくなるよ
そんなの嫌だろう?

だから前を向いて
想いを強く抱いて
それだけで綺麗な花が咲く

あなたが誰かを想うとき
ただそれだけで嬉しい時
きっとそれが恋の始まりなんだよ
恋は種を芽吹き
芽はやがて花をさかす
君の中が花で溢れる

素敵だろう?
だから前を向いてて





自己嫌悪ぎみな空を見上げて  2005年7月26日

なんでもないようなことで感動する私は
その美しさを言葉に出来ない
石ころみたいな存在
ゴミのような存在
その美しさ感じるたび
名もなき芸術を言葉に出来ない未熟さに苦しんでいる

何気ない言葉
さり気ない一言
輝いて見えたあの一瞬
誰かに伝えようと思う度伝わらずに色褪せていって
胸を満たした幸せは後悔と引き替えに引裂かれる

いつだって
誰にだって
わからないんだと
そう思いきれれば楽なのに
僅かな一瞬の穢れなきあの美しさを
伝えたくて伝えたくて
私はまた言葉にならないものを胸に抱えて苦しんでいる

ああ
空が青いから震えるのではなく
青ではないから震えるのだと
たった一人でも気づいてくれれば
私は独りではないのに

今も独りでいる





掬いに行くよ  2005年7月30日

何にもないと呟いていた
何時の間にかいつまででも
独りでいるような気がしてた

「悲しみなんて慣れているから大丈夫だよ」と
独りの私に一人の私が声をかけた

大切な物はここで見つかるかな?
問いかけた空は相変わらず雲っていて
見上げた途端落ちてきた滴が
涙みたいで今は自然に笑えない

きっと一人では救われないから
分かっている「当たり前」を今日も噛み締めて

あなたを掬いに来たよ
救いを掌に溜めて
独りでは叶わないことも
二人ならきっと近付けるはずだから

あなたを掬いにいくよ
救いを掌に溜めて
一人づつでも増えて行くなら
いつかは笑えるよね?





孤独歌  2005年7月31日

夏の日差しが強すぎて
別れには似合わない
震える声で告げた君の言葉
君の涙を携帯ごしに感じた

きっと若すぎたんだね
二人で思いを暖めるには
そう思ってしまえば楽なのかな?
君の気持ちがずれて行くのを
止めることは出来なかった

夏を越えるまもなく枯れた向日葵
花に例えれば綺麗過ぎて
涙も出せずに微笑んだまま
私は独りになる

ゆっくりと携帯を閉じた後で
耳に残る熱に酷く苛立った午後