2006年 八月の作品たち

一人の部屋 2006年8月14日

愛してると呟いてみた
肝心の誰をかは
確かめようにも見出だせなかった

大嫌いだと囁いてみた
世界中の誰もが敵に回る気がして
慌てて嘘だって打ち消していた

誰もいない場所で
誰もいらないと繰り返してる誰もいない場所で
誰かいないのと繰り返してる
意志の弱い自分を嫌悪し
一人の自分を哀れんでいる
『自己憐憫』と慣れない手つきで書き連ねて
下手すぎる自分の字に笑ってみた

誰にも届かない言葉は
誰にも言ってないのと同じなのに

一人の部屋
独り言を繰り返す
答えのない問いの連なり
答えを恐れる週末の夜






友達 2006年8月30日

久しぶり?
いつぶりかな?
ちょっと痩せた?

なにいってんだよ?
どうしたんだよ?

元気無いのか?
失恋したのか?
寂しいのか?
泣いてるのか?

うるさいって?
ほっといてくれ?
ひとりにして?


ああそう?
そういうこと言うんだ?

わかったよ
じゃあ


とりあえず側にいるから
泣きやんだら飯奢れよ