1999年12月の作品
「闇」 作楽静1999年12月12日 人は弱い、 いつも自分の影に怯えながら、 人の前で見栄を張って生きている。 もしも、 見栄を張らずに生きていける友がいるのなら、 その時から、 本当の人生が始まるんだろう 闇が迫ってくる 逃げようと僕は足を動かす でも、足は反対に闇に向かっていく ダメダ ニゲナクチャ 頭の中ではそう思っていても 身体は、あの闇の心地よさを知っている 誰も見えないあの孤独感 誰も気にすること無い安心感 何も考えることもない 背伸びをすることも、肩を張ることもない ああ、なんて心地よい闇の世界 でも それだけ 闇は闇 所詮何も起こりはしない 変化がないのが安心じゃない 変化があるから生きていける 怒ったり 笑ったり 泣いたり そうしないと、人は人じゃない だから僕は今日も闇から逃れる 必死に、必死に体を動かして 時々頭をかすめる言葉を無視しながら ヤミニツカレバヤスメルヨ・・・ 愚か者 1999年12月25日 楽静作 誰しも最後は一人なのに 何故集まり群れたがるのだろう? 与えられるものに満足せずに 何故集めようとするのだろう? 生きているうちに 楽しい事ばかり考えれば 必ず幸せになるはずだから きっと幸せが生まれるから そう信じていたのは……きっと私だ LOST 1999年12月25日 楽静作 失う事を怖がる私は 何も信じられぬ愚か者だ 信じたものならば 失っても戻ってくる事を知りながら ただ、かき抱く事で守ろうとして それが出来ず 今も出来ずに 結局私は失っていく 遅い? 1999年12月25日 楽静作 不快な声に耳を閉ざした なぜその声が不快なのかも考えずに 自分に対して本当の事は きっと一番心に痛い 気づいた時には 不快な声を発していた人は、どこか遠くに行っていた 『ごめんなさい』 背中にそっと呟いた 何も言ってくれないあの人に 少しでも感謝してると教えたいから 私は、この人の波に自らもまれだした いつまでも生ぬるい場所に入られない 私は知ったのだ。 少し、遅かったのかもしれないけど 予言 1999年12月25日 楽静作 人が人であるがゆえにもちえた心は いつか彼ら自身に疑問を投げかけるだろう 『存在の理由を』 「お前の存在の理由を」 『お前は誰だ?』 『何のためにいる』 『答えを示せ 答えを 多くの中からたった一つの正解を!』 決して分からぬ疑問の先を 人は、人以上のものに投げかける この空の向こうへ この星の向こうへ 我らの生まれた理由は 個人のみが知りえるはずなのに 雨 1999年12月25日 楽静作 雨が降っていた 体を冷たくぬらす雨が このまま傘を差さずに歩きつづけて あの前に見える山に登れば何かがわかるのだろうか? そう思い、道を登った事がある 肩筋を流れる雨は、やがて手首を通って、わきへと流れ 次第に、体をぬらしていく 答えなど無いとはじめから分かっているはずなのに 何故あの時僕は、あの道を最後まで登っていたのだろう? 頂上には、何も無かったわけじゃない 木も草も空も、確かに存在していた でも、 僕の待っていた答えだけは 何処からも降ってこなかった いつか見てみたこの人生の答え 間違っているのが怖いから でも 誰がそんなの決めるんだろう? 分からないまま また僕は雨の日を待つ 何かが空から降ってくるのを期待して 痛み 1999年12月25日 楽静作 砕ける骨の痛みに 悲鳴を出す事は許されず ただ歯を食いしばっていた 誰も知らない痛みなのだから 誰にも言えずにただ瞬間がすぎる事を待っていた 何故だろう? 逆らう事が悪い事なのだとただ思いつづけて 痛みを覚える事さえも 自信の弱さだと信じていた 遠い昔の後悔は 今はただ憎しみにしかならない 心の闇は、憎しみを糧に 私の心の中で増えつづける 疑問 1999年12月25日 楽静作 繰り返される時の中で 何を求め進むのだろう? 落としたものが多すぎて 得たもの全てに虚しさを覚える 何の意味があったんだろう 得たものは、落としたものより大きいか? 無くなってしまって もう目の前に現れないかこの全てに 今更何か考えても しょうがないんだろうか? |