お古の作品(笑
<思い> 楽静作 1997年 時々、本当に疲れたふりをしてみる そうすると、なんかましな気持ちになれる 時々、酷く傷ついた顔をしてみる そうすると、今の自分が誇りに思える 鏡の前で、あれこれ顔を作ってみる 表情を、薄っぺらい世界へ通してみる 悲しい 怒り 不安 寂しさ いろんな感情を、鏡の中に吸い込ませる でも、 私は鏡の前で笑ったりはしない そうすると、なぜか惨めになる 嫌な気持ちを押し込めた世界に 仕返しされている気分になる 悲しくも 寂しくも 怒りもないから 僕がこの住むこの世界には 表情に出す以外には そして、笑いも・・・・ 「矛盾」作.楽静 1998年 夕暮れの帰り道に空き缶一つ蹴っ飛ばし 退屈な今日に別れを告げる 誰も気づかない 誰も気づかない 私の思いに気づく人はいない 張り裂けそうな胸を押さえて そしてまた今日も空き缶を蹴る 全ての思いを閉じこめる 何重もの仮面をかぶる 素顔は誰にも見せたくない 心に誰も入って欲しくない そして、ため込んだ思いが 爆発しないよう また今日も空き缶を蹴る 空き缶を蹴る 空き缶を蹴る その一蹴りに思いを載せて 誰かキヅイテ ダレカキヅイテ こんな私に ハナシカケテ! それでも私は仮面をかぶる 泣く心を笑顔で隠して 誰も近づかないように 誰も気づかないように 私の中は矛盾でいっぱい ハナシカケテ ホッテオイテ チカヅイテ ソットシテオイテ・・・ ・・そして、また今日も空き缶を蹴る 「あの時」作.楽静 1999年6月 あの時の僕らを覚えていますか? 未熟で、世の中の何にもわかっていなかったくせに、 周りの大人たち全てを敵に回していた。 あの時の事を。 準備も何もしないで、行き当たりばったりな毎日に なんとなく誇りを持っていましたね? いつだって、自分ならできるって、 そう思っていたのでしょう? 誰かに「やめろよ」と一言言われるまで、 友達を殴りつづけた時がありますね? あの時の喧嘩の理由を、知っている人は誰もいないかもしれません。 だけど…… 全ての事の起こりは、 あの時だったんじゃありませんか? この世に生を受けた僕らの 最初の自己主張。 失敗は成功の基、なんて 笑って、ごまかしていたけど 本当は泣いていましたね。 誰にでも、「あの時」「あの場所」はあるんです。 「あの時」 僕らは悲しみだけを背負ったわけじゃなく、 喜びだけを覚えたわけでもない。 だから否定しないでください。 だけど、肯定もしないでください。 若かった僕らの ほんの少しの時間の事を。 |