――TRPGとは、『テーブルトーク・アールピージー』の略です。すなわち、 ??「数人でテーブルの上に正座した挙句、テレビを囲んでRPGをやる。という事ですね♪ ――んなこといったら、真面目なTRPGファンにぶっ殺されるぞっていうか、君は誰だ? ??「いやだなぁ。TRPGのSW世界においてGMの分身にもなっている男、ジェスターですよ」 ――ああ、あの、いつもGMを困らす事に命をかけている ジェ「そのとおり」 ――いばんなよ。と、まあそんな事よりだ。今の君の言葉の中には、色々専門用語が入っていたね? ジェ「TRPGとかSWとかGMですか?」 ――そう。さあ、その意味は? ジェ「TRPGっていうのは、昔、まだテレビでRPGなんかできなかったころ、架空世界の人間になりきって遊ぼうって言う精神から生まれたゲーム。 まあ、言って見れば「冒険者ごっこ」をするって事かな? ――そう。SWというのは、そのゲーム内で、一つのルールの体形の名前です。そして、GMというのは、その世界の中で、ルールの行使と、司会と、 ゲーム進行を行う人だ寝。だいたい、TRPGというのは、二人以上で、必ずこのGMという人を置いて行われます。 ジェ「な〜んか、聞くとオタクっぽいよね。皆で『俺は○○の役〜』とかいって、その気になって遊ぶわけでしょ? 魔法とか天井に売ったりしてさ、危ないし」 ――撃てるかっ! ……確かに、ちょっと暗い面があることは否定できないですね。数人だけで、一つの世界を作って遊ぶわけだから。 何も知らない人が見たら、怪しい物でしかないね ジェ「んじゃ、なんでTRPGなんてやるの? みんなオタクなわけ?」 ――それは違います。まあ、暗い人間がまったくいないって訳じゃないだろうけど。そうだな、例えば、テレビゲームをやっていたとしよう。 ジェ「ふむふむ」 ――君は、お姫様を助けに行った勇者だ。さて、姫が捕らわれている場所まできた時、選択肢が出てきたとしよう。 ジェ「なんて?」 ――1.敵と戦う 2.逃げる ジェ「う〜ん、そりゃあ、状況によるけど『逃げる』なんて選ぶかなぁ」 ――なんで? ジェ「だって、ゲーム・オーバーじゃないの?」 ――うん。そうだねきっと。だけど、こういう時にこう思ったことはない?『説得はできないんかい、説得はぁ』って ジェ「あ、それはあるよ。こっちがレベル99だったりした時とか『お前、戦っても無駄だって分かるんじゃないのか、普通』って。 だけど、そんなことできないでしょ? 選択肢でも出てこなきゃ」 ――それなんだよ、テレビゲームの欠点は。 ジェ「え?」 ――また例を出すけど、ドラクエ1をやった時 ジェ「いるのかよ、未だにドラクエ1なんてやるやつ」 ――いいから黙って聞きなさい。そういう時、王様の前に案内されるでしょ? ジェ「うん」 ――『このまま、王様殺しちゃったらどうなるかなぁ』なんて思わない? ジェ「……いや、思っても、できないでしょ」 ――うん。テレビゲームならね。だけど、TRPGだとそうではない。皆が役割として、その世界の人間を演じ、GMによってゲームが進行されていく世界では、 GM虐めと称して(笑)無茶な選択を自分で作って行う事もできるんだ。もちろん、自分の選択には、自分が責任を取るという条件付きでね。 ジェ「へぇええ」 ――テレビゲームの中で、成功とはたった一つの道を通り抜けることに似ていると思う。今は何個もエンディングがあるゲームがあるけど、 結局、たった一つの道を通る事で、一番いいものに辿り着く場合が多い。がけを登るためにロープを探して、空を飛ぶために気球を探して、 場所を使うためにいい馬を探して…… ジェ「確かに、そのとおりだね」 ――だけど、実際本当にそうなんだろうか? って思うことはない? がけを登るためのロープなら、何もちゃんとしたロープじゃなく、 木のツタでも良いじゃないか。もしかしたら、山のきこり達は、簡単な登り方法を知っているかも知れない。空を飛ぶのが、何も気球だけって事はないはずさ。 馬だって、その馬じゃなきゃいけない理由なんてないはずでしょう。 ジェ「う〜ん。つまり、TRPGっていうのは、自由度が高いってこと?」 ――まあ、そういうことになるのかな。また、大抵一ゲームを、一シナリオとして行うから、そのゲームだけに集中することで、 テレビゲームの多大なシナリオには勝てないにしても、面白く、そして濃い冒険を楽しむ事ができるんです。 ジェ「なるほどねぇ」 ――まあ、GMによってだけど、武器屋で武器をねぎってみたり ジェ「ほうほう」 ――町の警備団にケンカを売ってみたり ジェ「ありゃりゃ」 ――ちょっと酒場で女の子を引っ掛けてみたり ジェ「おいおい……そうか、ファンタジー世界で、自分がやりたい事っていうのを、自分の責任で行える範囲で行うゲームがTRPGってことなんだ」 ――そう。 ジェ「それで? ゲームはどうやって行われるの? ――うん、GMが、進行役を勤めて行うんだけどね……そうだな、説明するより、やって見た方が早いかも知れない。 ジェ「え? んじゃ、ちょっとやってみる?」 ――うん。そうしよう。んじゃ、これから私はGMと名乗る事にするから。あ、ジェスターはそのままでいいから。 ジェ「わかったよ」 【GAME開始!】 GM「さて、では、冒険を始めるとしましょう。 ここはオラン。冒険者達が集まり、様々な夢と希望が溢れる町。あなたは今、そんなオランの一角にある冒険者のためのギルド。『風の王国亭』に来ています。 ジェ「ギルドって何を行うの?」 GM「主に、冒険の仲介だね。依頼者が、冒険者に頼みたい依頼を持ってくると、それをギルドのマスターは、相応しいと思われる冒険者に頼むんだ。」 ジェ「なるほど。んじゃ、そのマスターって人に聞けば、冒険ができるんだね?」 GM「基本的には。後、町中で頼まれたりと、冒険はどこに落ちているか分からないよ」 ジェ「そうか……よし、んじゃ、マスターに話し掛けるよ」 GM「どうぞ」 ジェ「え? あ、そっか。キャラクターとして喋らなくちゃいけないんだよね。 『なあ、マスターなんか仕事無い?』 GM「店のマスターは、今ちょっと他の冒険者達が休憩と称して飲んだ酒の後始末に終われているようだ。ちょっと不機嫌な顔でふり向くよ 『なんだ? 俺は今忙しいんだがなあ』(ちょっと低い声)」 ジェ「う、こわ。『あの、冒険ない?』」 GM「『冒険だぁ?』マスターがそう言葉を返した時、ジェスターの肩を誰かが叩くよ」 ジェ「『おわ、だ、誰だ?』」 GM「『そんなにびっくりしないでよん♪ 私よ わ・た・し』(オカマっぽい)」 ジェ「『だ、だれだよ』 GM「同じ冒険者のリリィだね。筋金入りのオカマだ」 ジェ「げぇ。俺、オカマ苦手なんだよ」 GM「でも、リリィのほうは、ジェスターを気に入っているようで、毎日何かと声をかけている」 『ジェスターちゃん、仕事無いの? だけど大丈夫。私が何とかしてあげるから♪』 ジェ「や、やめてぇ」 【GAME終了】 ――と、こんな感じで進むわけだね。 ジェ「うん。しっかし、GMは大変だね」 ――そうだね。このゲームのちょっとつらいところは、GMが、プレイヤー以外の世界の住人の声を全て担当するってことだから。 私もいつも、色々なキャラで声や正確変えて、少しでも皆がわかりやすいようにしているんだ。 ジェ「……そうすると、男のGMが、女の人を登場させるってまれなんじゃない?」 ――う〜ん、たぶんね。男のGMによっては、むしろ好んで出す人もいるけど。 ジェ「……それで、その人が女の声をやるの?」 ――まあ、そういう場合もあるかな ジェ「やっぱり、周りから見ると怖いね」 ――苦笑。まあ、いわない事もあるよ。ただ、『彼女が言うには……』で、台詞の全てを言えば良いんだから。 ジェ「何だ。そうなのか。だったら、さっきのオカマも、べつに声で出す必要はなかったんじゃない?」 ――その方が怖いでしょ? ジェ「……そういう事まで考えていたの?」 ――まあね。さ、こんな所で、TRPGって言うのはどういうものかの説明は終わりです。質問は? ジェ「あ、そういえば、必要な道具ってあるの?」 ――道具? そうだなぁ。まずは、なんでもいいから、TRPGのルールブックを買う事。自分でルールを作るのもいいけど、 まずは市販ので慣れてからがいいと思う。お勧めはソード・ワールドかな。魔法とか、剣が好きな人なら絶対気に入るはず。 あと、このゲームは、戦うって言っても、実際に打ち合うわけじゃなくて、サイコロで勝敗を決めるんだ。 ジェ「サイコロ? なんか、運に頼りすぎてない?」 ――それは、ルールブックごとに違うから上手く説明できないんだよ。あとは、鉛筆と消しゴム。そして、仲間がいれば、いつだってTRPGは楽しめちゃうさ。 ジェ「結局いくらぐらいになるのかなぁ」 ――私が一番初めにやった時は、1000円もあれば十分だったけど」 ジェ「何十年前のはなしだよ」 ――七年前です ジェ「物価が違う」 ――そんなに変わるわけないでしょ! だけど、旧ルールから、新ルールの移行があって、ソード・ワールドはちょっと買いにくくなっているかも。 ジェ「ま、やってみなくちゃ始まらないってね」 ――そう、そのとおり。ルールブックと、仲間さえ揃えば、もう君は、違う世界の人間。テレビゲームとは一味違った冒険が、好きなだけ味わえますよ。 ジェ「んじゃ、久しぶりに仲間集めようかなぁ」 ――そうだねぇ。今度こそ、プレイヤーやらなくちゃ ジェ「えぇ! お前はいつもGMだろ」 ――なんでだよ いいながら、二人は去っていく。 完