「ナツミさんの憂鬱」原案&裏話
以下の文章は、初め私に出された原案をほぼそのまま(読みにくい箇所は訂正し)載せています。
そこから私が使った部分、切り捨てた部分の説明は、さらにその下をお読み下さい。
※原案では登場人物の名前は違う物でしたが、台本とのかねあい上、台本の名前の方にあらかじめ修正してあります。

原案 渡邉渚
鈴木クミコは中学二年生の時、好きだった男に告白したが振られてしまったという過去を持っていた。
その苦しく辛い出来事をきっかけに、クミコは色々な男を好きになり、告白しては振られる。
その繰り返しを、高一になるまで引きずっていた。

今は九月上旬。また好きなが出来たクミコは駅前の占い師の所へ毎日のように行くようになってしまう。
友達のナツミ
からは「占いに頼るなんて止めなよ」と止められても、クミコは構わず放課後になるとまるで
日課のように駅へ向かってしまう。
占い師はそんなクミコを快く占う(この占い師の占いは本当によく当たった)

ある日、告白する日は明日が一番いいだろうとクミコは聞き、早速翌日になって同じクラスの松本ツヨシに告白する。
が、今までクミコが色んな男に告白しまくっていることを知っていたツヨシはそれを理由にクミコをふった。

あまり深く傷ついていないにも関わらず、クミコはナツミに「振られちゃったよ〜」と訴える。
ナツミは今までのこともあるので、同情はもちろん、慰めの言葉もかけなかった。
また別の人を好きになるだろうと思っていたのだ。
ところがクミコは
「そこで普通友達を見捨てる?」
そうナツミの背中へ捨てぜりふを投げかけ走って学校を後にしてしまう。

向かった場所は駅前の占い師の館。クミコは占い師に文句を付ける。
「あんた本当にそれで占い師? 昨日の占いはでたらめだったの!?」
それに対して冷静な占い師。
「でたらめなんかじゃない。……ただ、あなたは今、気づかなくちゃいけないことがあるのよ」

と、本題からずれたような話しをする
「それはね……以前あなたは好きだった男の子に振られた。それからのあなたは、
その男の子を忘れようとして、同じくらいカッコイイ人とつき合うことで、妥協しようとしている
……そのことに気づいて欲しいの」

この言葉を聞き、クミコは自覚していなかったが、確かにその通りだと思い、素直に納得している自分に気づく。
しかし、
「あんたなんてデタラメの嘘っぱち占い師よ!」と叫び家へといそぐ。

その途中でクミコは、
ナツミ、ツヨシ、そして占い師の言葉を思い出す。
「人を好きになるなんてそんな簡単な事じゃないのよ」
「誰だって唯カッコイイから、それだけの理由で告白されたら嫌な気持ちになると思うぞ」
「そのことに気づいて欲しいの」
三人の言葉がこだまする。

ナツミに同情されたっている自分。
昔の男の話を引きずっている自分。
占い師の言葉がすべての支えだった自分。
昔の男を忘れ、妥協しようそしている自分に気づく。

気がつけば、引き返しているクミコ。行き先は占い師のいる場所。
今の彼女には占い師と夏美に謝ること意外、何も考えられなかった。


ええ、まぁ、大きく原案と台本の違いは、台本では幼なじみとの恋愛を絡めてナツミさんがメインになっているといったところでしょうか(汗)
原案でメインとなっているクミコは、ほんのスパイスとしてしか使われてはいません。
また、原案で出てきている台詞は、台本ではほぼいっさい出てきていません(汗)


裏話

この原案は、高校の後輩のものです。
今回の作品は、初めに渡されたこの原案を元に、書き直しに書き直しを重ねて完成しました。
改めて見てみると、本当、原案から台本に使っている箇所って少ないです(汗)
原案と主人公が違ったり、原案に書いてある台詞を使ってなかったり……
これって、原案書いた人に対して、めちゃくちゃ失礼なんじゃないだろうか……とか思ったり。
まぁ、原案は、あくまで案だと。そういうことですね。

台本では、ツヨシ君も相当変わりました。
初めはカッコイイ男の子だったんですよ。マジで



台本を読むときに、原案との違いを見つけながら読むのも、また面白いかも知れませんね


あ、もちろん、吉岡君は私が勝手に作り出したキャラクターです
ネタです。「出落ちキャラ」という演劇上のネタを、さらにいじってみただけです。