注意:これは楽静が1999年頃に書いていた日記のリメイク版です。

12月08日(水)  

テスト三日目! このごろになると、大抵の人の顔に疲労の色が出てきます(笑)
私はというと、テスト前は散々勉強する物ですから、テスト期間中はほとんどやらないんですね。
だからあんまり疲れきってはいないわけです。ただ、ハイテンションになってしまうという弱点があるんですが
……まあそんなわけで、今日はテスト期間中の風物詩(そうか?) 名づけて『爆睡』


【爆睡】


キーンコーンカーンコーン

楽静「ああ、終わったぁ」

友S「……やばいよ楽静」

楽静「何が? とうとう薬が警察に見つかったのかい?」

友S「そうなんだよ、大麻が五十グラムほど……って
ちっがーう!

楽静「何だまだか。まったく、日本の警察は何してるんだか」

友S「
薬なんか誰がやるかってーの。そうじゃなくて、あれ」

楽静「あれ?……Kがいるよ。机にうつぶせになってら。よっぽど疲れたんだねぇ。
    彼、このごろ徹夜続きみたいな事言ってたうえに、昨日は勉強せずに、ゲームやってたらしいから」

友S「そうなんだけど、Kさ、三十分くらい前からあのままなんだけど

楽静「
なに! まさかテスト時間中も?」

友S「あのまま」

楽静「三十分くらいって言うと……すごい、テスト開始十分そこらで終わったのか」

友S「いや違うな。ただ眠気に勝てなかったんだろう

楽静「げ……じゃあ、もしかして」

友S「後ろの席で、答案集めたから分かるけど、名前しか書いてなかった」

楽静「かわいそうに。水泳選手に負けたわけだ」

友S「は?」

楽静「水泳選手。つまり、スイマー……スイマ……睡魔」

友S「隊長、ここは寒いです。あ、なんか眠気が
   『ダメだ、寝たら死ぬぞー』
   うう、すいません。 自分はもうせめてもう一度だけでも、幸子の顔が見たかった
   『大樹ぃぃ』」

楽静「
素直に寒いって言ってくれた方が嬉しいな

友S「
凍えたよ

楽静「ごめーん。ま、とりあえずそれはおいといて。しっかし。見事なまでの爆睡だね。
    きっと、
夢の中ではテスト受けてるんだろうなぁ

友S「やめろよ、そういうこと、悲しくなるだろ」

楽静「しかも、
いい点とってたりして

友S「ああ、なんか涙が出てきたよ」

楽静「ついでに卒業してたり」

友S「
そこまでは見ないだろ

楽静「就職して、社会人になって、結婚して」

友S「やばいよそこまでいったら」

楽静「後はリストラだな」

友S「
何でだよ

楽静「傷心して帰ったら、奥さんが宅配屋と出来てるんだよ」

友S「
どうしてそうなんだよ

楽静「娘は不良になっててさ。ばっとで殴られるんだな」

友S「
娘まで作ってるのかよ! ってその前に、
    何で夢でそこまでひどい目にならなきゃいけないんだよ」

楽静「甘いばかりが夢じゃないのさ」

友S「
辛すぎだよ!

楽静「とにかく、そっとして置いてあげよう」

友S「それじゃあ奴は次の教科も落とすじゃんか」

楽静「現実より夢がいいってこともあるのさ」

友S「
お前言ってる事が違うじゃねえか! 実は楽しんでるだろ、友達の不幸を」

楽静「まさか……ただ、これはネタになるなって」

友S「
ネタにするなよ!


……さて、問題です。この後Kはどうなったでしょうか?
@そのまま
A先生に起こされた
B私達が起こした。
難しいですね(笑)正解は『世の中そんなに甘くない』でした。それではまた明日。
……こうやって、
人は友達を失っていくのかもしれない

以上1999年12月8日の出来事でした。