死 に 続 け る 男

「何故、死にたいの?」

彼女は聞く。
黒い服で体を覆い、長い鎌を持った存在。

僕を、連れにきてくれたのか。
僕は長い夢を見ていた気がするよ。

「何故、死にたいの?」

何故? そんな事は僕に聞かないで。
ただ僕は死へ憧れているだけなんだ。

全てはあの夏に始まって、あの夏に終わった。
あの時僕は消えてしまうはずだったのに、消えなかった。

ただ、一言言えば良かったのに。
その一言さえいえない僕は、この世の中にいなくても良い存在に、あの時なったんだ。

「あの時?」

そうあの時。僕は――







あとがき
いないとは思いますが、
このラストを見逃してまたくるくる回ってしまった方、
お疲れさまでした。

さて、久しぶりの更新がまたホラー。
なぜか。
シャイニングという映画を見たばかりなのです(苦笑)

以上。毒されまくりの楽静でした。